“シャーロットと同化していますね”女優・松谷彼哉が語る『SATC』の魅力とは PART1
6月4日の公開以来、女性たちを虜にしている『セックス・アンド・ザ・シティ2』(公開中)。前作では叶わなかった主演の4人がそろって来日、プレミアイベントを行うなど、公開前から大きな盛り上がりを見せている本作だが、女性を中心に多くの人を惹き付けるその魅力はいったいどこにあるのだろう? 今回、当事者でもある、シャーロット(クリスティン・デイヴィス)の吹替を演じている女優・松谷彼哉に話を聞いた。
――まずは『SATC』の魅力について聞かせてください。
『SATC』は女性特有の問題を扱っていて、個性的です。主役4人にそれぞれの問題があり、リアリティもあります。ドラマ自体はコメディですが、そのなかに様々な問題を抱えていて、人間関係もしっかり描かれていて、芯もしっかりしていますね。私自身、やっていてとても楽しいです。ドラマの第6シーズンが終わってから映画までしばらく期間があったので、収録時はじ〜んとなってしまいました。一つ一つに思い入れがあって、その都度エピソードが蘇ってきました。シャーロットは4人の中でも日本では人気も高く、キャラの中でも一番入りやすいのではないでしょうか。他の3人に比べてわりと保守的で、日本人の感覚に近いと思います。服装の好みとかも私と似ているので、とてもわかりやすいですね。
――シャーロット役のオファーでおもしろいエピソードがあったとか? また、長年演じてきた松谷さん自身に変化はありましたか?
「松谷さんにぴったりの役があるから推しておいたよ」と言われて、その時は作品名もどんな役柄かも全く知らされてなくて、いざ行ってみると、このタイトルでしょう(笑)。当然、そっち系の作品かと思ったら、全然違っていて。でも実際演じてみると、本当にぴったりだったので驚きました。本国で第2シーズンが始まった頃に、日本で第1シーズンの吹替が始まって、それ以来10年近く、ずっとシャーロットを演じてきました。だから変化というより、すっかり同化してしまっていますね。それは他の役を演じている3人も同じだと思うんです。シャーロットは、王子様を求めたり、素敵なものを探す旅をしているんです。女の子は若い時はみんなそうですよね。女性がはまるのはそういう面もあると思います。初めて吹替をしていた頃の映像を見ると、シャーロットも私も声が高いんですね。それが年を経るごとに落ち着いてきて、一緒に歩みながら成長してきたように思えます。また、ドラマの吹替をずっとやっている時は、劇中にHな言葉がたくさん出てきて、最初は恥ずかしいんですが、それがだんだんマヒしてきて、みんなでランチに行った時にも会話の中に普通に出てきてしまうんです。しかもタイトルが『セックス・アンド・ザ・シティ』と長いので、『SATC』とか呼べばまだ良いのですが、某スタッフさんはいつも頭だけ取って「『セックス』がさあ」とか言うから、それを聞いたウェイトレスさんや周囲のお客さんがいっせいに引いたりして(笑)。また、シャーロット以外なら誰を演じてみたいか? とよく聞かれるのですが、シャーロット以外考えられないですね。もし何が何でも選ばないといけないとなったら、日本にはサマンサのようなタイプの女性はいないし、やったことのない感じなので、サマンサでしょうか。※3人とは、キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)役の永島由子、ミランダ(シンシア・ニクソン)役の渡辺美佐、サマンサ(キム・キャトラル)役の勝生真沙子
PART2に続く http://news.walkerplus.com/2010/0625/12/
北海道出身。劇団昴所属。女優・声優・歌手・作詞家として幅広く活動中。
主な出演作:アニメ「BLEACH」(松本乱菊役)、「烈火の炎」(音遠役)、ゲーム「サクラ大戦V」(ダイアナ・カプリス役)、「アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩」(インフェル役)、海外ドラマ「ステート・ウイズイン〜テロリストの幻影」(ジェーン・ラバリー役)、洋画「イングロリアス・バスターズ」(ショシャナ・ドレフュス役)、「17歳の肖像」(ヘレン役)など多数。
公式サイト:松谷彼哉の「Kaya's Garden」 http://homepage1.nifty.com/Kaya-M/