『おにいちゃんのハナビ』の鑑賞前に押えておきたい花火大会とは?

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『おにいちゃんのハナビ』の鑑賞前に押えておきたい花火大会とは?

夏といえば花火。夜空に大輪の輪を咲かせ、その美しさで多くの人の心を躍らせる。今年も各地で花火大会が開催されるが、そのなかの1つ、新潟県小千谷市片貝町で行なわれる“片貝まつり”を題材にした映画が公開。それが9月25日(土)公開『おにいちゃんのハナビ』(9月11日より新潟先行公開)だ。

本作は、天国にいる妹のために花火を打ち上げようとする兄と、その家族との絆を描くヒューマンドラマ。新潟県中越地震の1年後を見つめるというテーマで、テレビ番組内で放映された実話を映画化した作品でもある。

さて、本作で重要な役割を果たすこの“片貝まつり”、古くから続く歴史ある祭りだということをご存知だろうか。浅原神社の秋季例大祭である同祭だが、その起源は江戸時代初期に遡る。今から400年前、浅原神社への賽銭代わりに花火を奉納したことから、花火の打ち上げが始まったと言われている。また、ただ古いだけでなく実績も残しており、1891年には片貝で初めて三尺玉4発の打ち上げに成功。さらに、1985年には直径800メートルの輪を咲かせる四尺玉が打ち上げられ、世界一の花火としてギネスにも認定されている。

ちなみに、この祭が一般的な花火大会と違うのは、町人たちが主体となって花火を打ち上げるところ。片貝では、地元中学を卒業すると同時に同級生による「会」が結成され、毎年「会」単位で打ち上げ花火の出資が行なわれるのだ。この「会」は、劇中にも登場する成人会であり、20歳の年に初めて一緒に花火を奉納し、以後還暦まで、人生の節目で会ごとに花火を上げるというもの。

そんな伝統ある“片貝まつり”。今年は9月9日(木)、10日(金)に開催されるので、映画にあわせて足を運んでみてはいかがだろう。こういった背景を知ったうえで見れば、花火がよりいっそう美しく輝いて見えるに違いない。【トライワークス】

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