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木村文乃、尾野真千子、坂口健太郎らが集結!『ちいさな英雄』がついに完成

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木村文乃、尾野真千子、坂口健太郎らが集結!『ちいさな英雄』がついに完成

『メアリと魔女の花』(17)のスタジオポノックの新プロジェクト「ポノック短編劇場」の第1弾『ちいさな英雄 -カニとタマゴと透明人間-』(8月24日公開)の完成披露プレミア試写会が19日、東京・品川ステラボールで開催。各作品のキャストと監督陣、エンディングテーマを歌う木村カエラが一堂に会した。

登壇したのは、海の中を舞台にカニの兄弟の大冒険を描き出した『カニーニとカニーノ』で声優に初挑戦した木村文乃と鈴木梨央、メガホンをとった米林宏昌監督。卵アレルギーを持つ少年と母親の絆を描く『サムライエッグ』からは尾野真千子と篠原湊大、坂口健太郎、百瀬義行監督。そして透明人間の男の孤独な闘いを描いた『透明人間』からは田中泯と山下明彦監督。

数日前に完成したばかりの本作。お披露目の場に集まった観客に向けて挨拶をした登壇者たちは、各作品の監督が掲げたそれぞれの作品のキーワードをもとにトークを進めていく。

「存在」がキーワードだと掲げる『透明人間』の山下監督は「そこにいるんだけどいないも同然の扱いを受けている人がいるんじゃないかと思う。こういう人がいるんだと、自信を持ってほしいと思って映画にしました」と創作の経緯を明かす。そして劇中で盲目の男を演じ、目をつぶってアフレコに臨んだという田中は「見えて喋ると見えないで喋るのではまったく世界が違います」と語り、会場を驚かせた。

一方で「歯」がテーマだという『サムライエッグ』の百瀬監督は「生命とか生きてるとかの象徴として見ていただければ」と語る。それについて尾野は「作品の中に、歯がちょっと出てくるんです」、坂口も「歯が印象的なシーンがあったりとか…」と歯切れの悪いコメントをするなかで、2人の子どもで物語の主人公・シュン役を演じた篠原が「最後の最後にママから大切な言葉があるので、それに注目して見てください」とハキハキとコメント。

また尾野は、絵が完成する前に声を吹き込む“プレスコ”で収録したという。その感想について聞かれると、即座に「とってもやりにくかったです」と笑いを誘い「初めての声優で、よくわからないやり方でとても苦労しました。声優さんっていうお仕事が超すげえなって思いました」と明かす。すると百瀬監督は「台詞を喋りながら自然と出てくる演技にリアリティがあった」とその演技力に太鼓判を押した。

そして「カニ語」がキーワードであると米林監督が語る『カニーニとカニーノ』では、劇中の台詞がすべて日本語ではなく、「カニ語」という特殊な言葉で表現されている。木村は「伝えたい気持ちがあれば言葉の形っていらないんだなって思えました」と語り「アドリブの部分をどうするかと相談しながら作り上げた。ちょっと面白い言語を大人たちが真剣に考えるシュールな現場でした」と振り返ると、一緒にアフレコに臨んだ鈴木の方を向き「2人一緒にアフレコしたおかげで、兄弟感強くできたと思っているんだけどどうかな?」と問いかけると、鈴木は笑顔で「素晴らしかったです」と互いの演技を認めあった。

舞台挨拶の終盤には、エンディングテーマを担当した木村カエラが登場。「まっすぐで明るい曲にしようというイメージで作りました。親の無償の愛で子供がのびのび育っていく喜びを表現できればいいなと思い、言葉を選びました」と作詞の経緯とプレッシャーを語った木村は「ちいさな英雄」をフルコーラスで生披露。木村カエラのパラフルな歌声に、上映前にもかかわらず会場は一体となり、大きな盛り上がりを見せた。

取材・文/久保田 和馬

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