高良健吾&多部未華子、日本映画界のレジェンドに恋!?「キュンとしました」

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高良健吾&多部未華子、日本映画界のレジェンドに恋!?「キュンとしました」

「極道の妻たち」シリーズや「まむしの兄弟」シリーズなどで知られる日本映画界のレジェンド、中島貞夫監督が『極道の妻たち 決着』(98)以来20年ぶりに劇映画のメガホンをとる『多十郎殉愛記』の制作発表会見が21日に都内で行われ、主演を務める高良健吾を筆頭に、多部未華子、木村了、中島監督が登壇した。

本作は、60年近いキャリアを誇る中島監督の映画への飽くなき情念を、次世代の才能へと受け継ぐ本格ちゃんばら時代劇。幕末の京都を舞台に、長州を脱藩して尊王攘夷も忘れて日々の生活に追われる清川多十郎は、同じ長屋の住人・おとよが切り盛りする居酒屋「満つや」の用心棒をしていた。ある日彼のもとに、上洛してきた腹違いの弟・数馬がやってくる。そんななかで多十郎は、新撰組に押され気味の見廻り組から襲撃されてしまう。

中島監督は本作に込めた想いについて「京都撮影所育ちの僕は、京都の映画にこだわりがあった。その本質はなんだろうと考えた時に、マキノ省三監督が相当の苦労をしながら映画のパフォーマンスとして確立していった“ちゃんばら”がいま消えようとしていることをなんとかしたい思った。ドキュメンタリー映画を昨年作りましたが、どうしてもドラマとして実現したかったんです」と熱く語る。

さらに「時代劇がなぜつまらなくなったかというと、俳優さんがみんな年寄りになったから」と歯に衣着せずに語る中島監督は「立ち回りは非常にエネルギッシュでコミュニケーションをとることが必要なパフォーマンス。若さが発揮されなければ本当に面白い時代劇は作れない」と、その醍醐味を解説。高良をはじめとした若手実力派俳優の3人については「懸念していたものが一切なく、いい動きをしてくれたし脚本の理解が深い。非常に満足しております」と笑みを浮かべた。

主人公・多十郎を演じる高良は「現場で自分がどれだけ出せるか、というのが大きかった」と時代劇に挑むにあたり、中島監督の作品や京都撮影所で製作された時代劇を予習したという。そして現場では「監督の立ち姿から様々なことを教えてもらった。殺陣というのは思いやりと信頼が大事。そして相手に怪我させちゃダメで、怪我してもダメ。監督の人との向き合い方から学ぶことがたくさんありました」と、中島監督の誰からも愛される人柄に魅了されたことを明かす。

そして多部も「なによりもスタッフ一人一人が監督が好きだから現場にいるという感じで、私たちもそのお返しをしないといけないという強い気持ちになれる、不思議な感覚でした」と撮影時を振り返り「これは一種の恋だよなと、高良くんと話していました」とはにかむ。すると高良も「恋ですね」と断言し「監督から“高良ちゃん”って言われるとキュンとしました」と笑いを誘った。

さらに中島監督は時代劇を次世代へ「継承」していくことがテーマとなっている本作について記者から質問されると「京都の時代劇がなくなってしまうと日本から時代劇はなくなってしまうだろうという危機感が強くあった。立ち回りというのは、生きるか死ぬかの戦い。ひとつ立ち回りがあるごとに、そこにドラマがあって愛がある。今回やったものは決して無駄にはならないだろうと確信しています」と、その熱き精神が作品に反映されていることをうかがわせた。

『多十郎殉愛記』は10月11日(木)〜14日(日)まで開催される京都国際映画祭2018でワールドプレミア上映され、2019年春に全国公開を予定している。

取材・文/久保田 和馬

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