闘病中の樹木希林「涙涙でございます」と直筆メッセージ。代読した黒木華は樹木の“かっこよさ”の秘密語る
高円宮久子妃殿下をお招きした『日日是好日』(10月13日公開)のプレミアム試写会が4日に明治記念館で開催され、上映前の舞台挨拶に黒木華、鶴田真由、鶴見辰吾、原作者の森下典子、大森立嗣監督が出席。療養中のため欠席となった樹木希林からは「涙涙でございます」とのメッセージが届けられた。
エッセイストの森下典子が、約25年にわたって通い続けた茶道教室での日々を綴ったエッセイを映画化した本作。主人公・典子が、母の勧めで通い始めた茶道教室で様々なことを学び、ゆっくりと成長していく姿を描く。
先日、義理の息子で俳優の本木雅弘によって、樹木が13日に左大腿骨を骨折、15日に手術をし、一時は危篤状態だったことが報告されたが、この日は黒木が樹木からの直筆メッセージを代読した。高円宮久子妃殿下のご臨席につき、「ひたすら有難く頭(こうべ)を低(た)れるばかりです。台風接近にともない、申し訳なく涙涙でございます。心ふるえるような時をいただいてをります。平成30年9月1日、樹木希林」(原文ママ)との言葉が寄せられ、黒木が読み終わるや、会場からは大きな拍手が起こっていた。
黒木は「樹木さんは本当にかっこいい方」と樹木の印象を吐露。「現場が早くても、毎日ご自身で運転されて来られる。『なんでそんなにかっこいいんですか?』と聞いたら、『そうなのよ。私は、周りには自分がかっこいいと思うものしか置かないようにしているの』と言ってました。旅行に行く時もすごく荷物が少ないらしくて。ボストンバッグくらいで行くらしい。すごくシンプルな生活をしているのが、かっこよさにつながっているのかなと思いました」とかっこよさの秘訣を知り、惚れ惚れとしていた。
鶴田も「ご自分のかわいらしい車を運転していらっしゃる」と樹木のエピソードを明かし、「お召しになっているお着物もとてもステキ。車と、ステキなお着物、個性的な希林さんが(車から)降りてらっしゃった時、映画のワンシーンを見ているようだった」とニッコリ。「人間そのものがステキ。役者は人間力を磨かなければなと。そしてブレてはいけないと、樹木さんを見ていつも勉強させていただいています」と樹木から受ける刺激を語っていた。
取材・文/成田 おり枝