ドウェイン・ジョンソン、アフリカ系アメリカ人役に批判の声

映画ニュース

ドウェイン・ジョンソン、アフリカ系アメリカ人役に批判の声

“ロック様”ことドウェイン・ジョンソンが新作映画で演じる役柄に対し、一部から批判の声が寄せられていると報じられた。

ドウェインが主役を演じる新作映画は、Netflix製作の『ジョン・ヘンリー・アンド・ザ・ステイツメン(原題)』だ。タイトルの“ジョン・ヘンリー”は、労働者階級のアフリカ系アメリカ人を象徴する存在。物語や歌、演劇などの題材として広く知られ、昔から親しまれているキャラクターだ。ドウェインは自身のSNSに、「子どもの頃、父は私を寝かしつける時に、いつも “ビッグ・ジョン”の歌を歌ってくれた」「子ども時代のヒーローを演じられるなんて光栄だよ」とつづり、庶民の英雄役への喜びをにじませている。

ドウェインは母方の祖父母がサモア系で、父親はアフリカ系だ。しかし一部の人々からは、この配役に難色を示す声が上がっているという。「原典となる歌や物語を確認すればわかるけど、ジョン・ヘンリーは褐色の肌の持ち主。異論をはさむ余地はない」「ドウェインは自分に有利な時だけアフリカ系。生まれた時からずっとアフリカ系の人に演じてほしい」「ドウェインは素晴らしいけど、断じてジョン・ヘンリーではない」など、一般に普及しているジョン・ヘンリーのイメージにこだわるコメントが目立つようだ。

今年7月には、トランスジェンダーの役を演じる予定だったスカーレット・ヨハンソンが、LGBTQの権利団体などからの抗議を受け、映画を降板する出来事があったばかり。ドウェインの記事を見た一般のネットユーザーからは、「父親がアフリカ系でも母親がそうじゃないからダメって、そっちの方が人種差別的」「それ(自分とは異なる人間を演じること)が演技でしょ?」「単に怒りをぶつける対象がほしいだけでは?」といった意見が多い。ダイバーシティを重視する風潮は素晴らしいが、「当事者以外お断り」の排斥感情が増しているとすれば、役者にとって憂慮すべき事態と言えそうだ。

UK在住/シャオ

作品情報へ