池松壮亮の鬼気迫る演技が世界中の映画祭を席巻!『斬、』予告編が完成
第75回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門を皮切りに、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭など名だたる映画祭で上映され、世界中から絶賛を勝ち取っている塚本晋也監督の最新作『斬、』(11月24日公開)。このたび本作から美しくも力強い本作の世界観を余すところなく体現した、予告映像が到着した。
本作は250年にわたり平和が続いてきた国内が、開国するか否かで揺れ動いていた江戸時代末期を舞台に、人を斬ることに疑問を抱く一人の浪人の姿を通して、生と暴力の問題に迫る時代劇。藩を離れて浪人暮らしをしている杢之進は、その腕を見込まれ京都の動乱に参加するように誘われる。そんな中、彼の暮らす村に無頼者たちが流れ着いてくる…。
池松壮亮演じる主人公・杢之進が暗闇の中で静かに刀を構え、振り下ろす印象的なシーンから幕を開ける予告映像。塚本監督自らが演じる剣の達人・澤村や、中村達也演じる無頼者たちの登場によって武士としての宿命と向き合うこととなりながらも、刀を抜くことに悩み苦しむ杢之進の姿が描き出されていく。
トム・クルーズ主演の『ラストサムライ』(03)でスクリーンデビューを飾って以降、さまざまな役柄に挑んできた池松は、いまや若手トップクラスの実力を誇る。『散り椿』(公開中)でも愛する者のために刀を抜く若き青年を演じきった彼が、本作では時代の波に翻弄され、葛藤に葛藤を重ねる重厚な役柄を演じきる。その鬼気迫る演技は必見だ。
『鉄男』(89)や『野火』(15)など、日本国内のみならず海外からも高い評価を受ける塚本監督が、監督・脚本・撮影・編集・出演・製作の6役を務めて挑む初の時代劇となる本作。従来の時代劇の型にはまらない圧巻のクライマックスは、観る者すべての心を鋭く突き刺すことになるだろう。
文/久保田 和馬