千原ジュニア『ごっこ』公開に感慨「川谷くんが世間を騒がせてた」と紆余曲折を述懐
16年に46歳で亡くなった小路啓之の同名漫画を映画化した『ごっこ』の初日舞台挨拶が10月20日にユーロスペースで開催され、千原ジュニア、平尾菜々花、主題歌を担当したIndigo la Endの川谷絵音、熊澤尚人監督が登壇。千原が「(原作者の)奥さんから『旦那が喜んでいると思います』というお言葉をいただけた。やったかいがあったなと思っております」と感慨を語った。
本作は、他人には知られてはいけない秘密を抱えた親子である、40歳目前にも関わらずニートの城宮(千原)と5歳児・ヨヨ子(平尾)を描く物語。クランクインは15年の10月20日、原作者・小路の命日も10月20日とあって、運命的な初日を迎えた。熊澤監督も「お蔵入りになりそうな状況の時に、先生が亡くなった。『やっと先生に観てもらえるようになりました』とご報告したい」と小路にメッセージを送った。
千原は満席の会場を見渡し「空席が多かったら、キャンセルしようと思っていた」とジュニア節をお見舞い。「撮影は3年前の寒い時期で、奇しくも川谷くんがちょうど世間を騒がせているころ。どっちもこっちも大変やなあと思いながら撮影をしていたのを昨日のことのように覚えています」と語り、会場の笑いを誘っていた。
映画の成功の鍵は「ヨヨ子をやる女の子によって変わるやろうなと思っていた」という千原。平尾について「ただの天才です」と大絶賛で、「手綱を持たれていた。イニシアチブをとられていた」と続けると、平尾は「天才とかじゃないです」と照れ笑い。「千原さんがいろいろとお話をしてくれた」と楽しく撮影したそうで、プライベートでは男の子の父である千原は「普段は女の子と接する機会がなかったので、非常に楽しかった。カラフルな色で編み込んだ輪ゴムのブレスレットをくれた。撮影以外ずっとつけていた」とデレデレだった。
また主題歌「ほころびごっこ」を手がけた川谷は「2人の演技に引き込まれて、早く曲を作りたいと思った」と映画を観て刺激を受けたそう。「(作品資料に)夢で作曲したと書いたけど、本当ではあるんですが、そう書くとすごく見えるかなと。(話を)盛った」とぶっちゃけて会場も大爆笑。「ほころびごっこ」のミュージックビデオには平野も出演しており、「映画で観た時も表情がすごかった。この表情だけでPVが作れるんじゃないかと思った。間近で(平尾の演技を)見て、本当にすごいなと思った」と川谷も平尾の女優力に驚きを隠せなかった。
取材・文/成田 おり枝