松岡茉優、松坂桃李らが出演!恩田陸の直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」映画化決定

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松岡茉優、松坂桃李らが出演!恩田陸の直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」映画化決定


<キャスト・監督・原作者コメント>

●松岡茉優(亜夜役)

「私は小学生の頃、ピアノを習っていました。祖父に買ってもらったアップライトピアノは高価なものでした。でも、中学生になると仕事や友達と遊ぶ方が楽しくて、あっという間に触らなくなり、リビングに置かれたピアノは家具となっていきました。あれから10年ほどたち、今私の目の前にはピアノがあります。恩田先生の『蜜蜂と遠雷』は、大自然のようでした。寛大で、儚く、残酷で、美しくて。なので、読み終えた時、この作品を映像として表現するのは難しいと思いました。音楽はそれぞれの音がある。実体化した音楽で納得してもらえるだろうか。ピアノやクラシックに興味のない人にも、楽しんでもらえるだろうか。これは戦いだと思って撮影に挑んでいきたいです。見てくれた方の頭に音楽を鳴らしたいと思っています」

●松坂桃李(明石役)

「『蜜蜂と遠雷』高島明石役で出演させていただくことになりました。このような素敵な作品に参加できること、とても光栄です。石川監督の『愚行録』を拝見した時、感情をドカッと持っていかれ、なかなか興奮がおさまらなかったのを覚えています。いつかご一緒してみたいと思っていたので、今回、それが叶い非常に嬉しいです。明石はコンクールに臨む他のピアニストと比べると、生活の中にピアノがある為、日常感を漂わせていて、最年長でもあり、いわゆる“天才”ではない人。ピアノは初挑戦ですが、演奏も含めて、明石としっかり対話し全力で作品と向き合っていこうと思います」

●森崎ウィン(マサル役)

「この作品は、映画出演のお話を頂く前から自分で買って読んでいた作品なだけあって、出演が決まった時は本当に興奮しました。天才ピアニストのマサルが藻掻いて、マサルの目指すビジョンに一歩ずつ近づいて行く姿を、皆さんにお見せ出来るよう頑張って参ります。今まさにピアノレッスンの真っ最中ですが、本当に難しい。何度やってもぶつかる壁が減る事がなく、毎回戦っています。でも、一つ言えるのは、それでも楽しいんです。改めて音楽の素晴らしさを体験出来ている喜びを噛み締めて、壁を越えられるように日々頑張ります」

●鈴鹿央士(塵役)

「原作ファンの方が多くいる、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』という素晴らしい作品の映画化に、風間塵という重要な役で参加させて頂けることを本当に嬉しく思います。 恩田先生にもお会いさせて頂き、身が引き締まりました。お芝居の経験がなく、全ての事が初めてで不安なこともありますが、共演者の方々、監督はじめスタッフの方々 のお力をお借りしながら、風間塵を楽しみながら演じていきたいと思います。僕はピアノの経験もありませんでした。オーディションを受けさせて頂いて、役を頂いて、7月からピアノの レッスンが始まりました。今は、電子ピアノもお借りして、毎日、鍵盤に触れるようにしています。プロのピアニストの方々の演奏を観させて頂いたりして、塵のイメージを膨らまして、原作の世界に負けない音楽を届けられるよう頑張ります」

●石川慶(監督)

「『蜜蜂と遠雷』ほど、音楽そのものを真正面から描き切った作品は他にないと思います。それを、文字だけの小説でやってのけたのだから恩田さんは半端ない。“文学の勝利”とも呼べるこの作品に映像で挑むのは無謀なことなのかもしれません。でも、この本を読んでいるときに鳴っていた音を、どうしても映画で聴きたくなったのです。この人しかいない、と満場一致でオファーした松岡茉優さん、今もっとも一緒に仕事したかった松坂桃李さん、映画の国籍なんて軽々と飛び越えてくれる森崎ウィンくん、そして得体の知れないオーラに一目惚れしてしまった新人・鈴鹿央士くんの4人とともに、映像でしか到達できない高みがあるはずだ、と信じて日々進んでいます」

●恩田陸(原作)

「正直に言うと、ずっと半信半疑であった。そもそも、この小説は絶対に小説でなければできないことをやろうと決心して書き始めたものだからだ。自分で設けたそのハードルの高さに、書いているあいだ何度始めたことを後悔したことか。苦労の甲斐あって、なんとか目標は達成できたと思う。だから、映画化の話があった時は、なんという無謀な人たちだろうとほとんど内心あきれていた。きっと難しいと思いますけど、やるのなら“映画でしかできないこと”をやってくださいね、とお願いした。口ではお願いしつつも、いくらなんでもこれを映像化する無謀さに気付き、そのうちきっとあきらめるだろうと思っていたのである。ところが、彼らはあきらめなかった。どんどんものすごいキャストが決まっていく。かくなる上は、と覚悟を決めた。完成した映画を観て“参りました”と言う準備は今からできている」

文/久保田 和馬

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