佐藤蛾次郎、渥美清と交わした最後の言葉は「ご苦労さん」寅さんサミット大盛況
11月3日〜4日に国民的人気シリーズ「男はつらいよ」の“寅さん”の故郷、葛飾柴又で「寅さんサミット」が行われた。4日には、シリーズの名物キャラクター“源ちゃん”を演じる俳優・佐藤蛾次郎をゲストに招いてのクイズ大会が実施され、佐藤が渥美清と交わした最後の会話を明かした。
「寅さんサミット」は、「男はつらいよ」のロケ地が一堂に会し、各地が大切にしている美しい風景の展示や特産品・お土産品の販売、映画上映など様々なイベントを通して、各地の魅力と寅さんの世界を紹介するもの。寅さんのコスプレをした人も集うなど、大いににぎわいを見せた。
寺男の“源ちゃん”として、シリーズには欠かせない存在を演じる佐藤。「これは、1作目から着ているはんてんです。ちょうど今年で50年目のはんてんです」と“源ちゃん”のはんてん姿で登場すると、「本物だ!」との声が上がるなど会場も大喜び。
第8作目『男はつらいよ 寅次郎恋歌』(71)を除いてすべてのシリーズに出演している佐藤だが、撮影中は“寅さんカレー”と名付けた佐藤お手製のカレーを振る舞うのが恒例だったそうで、「昔、神田でカレー屋さんをやっていたんです。(山田洋次)監督に『いつもみんな疲れているから、振る舞いたい』と言ったら、『頼むよ』と。さくらさんがご飯を入れてくれて、僕がルーをかけて。みんな喜んで食べてくれた」と薬膳カレーで現場を癒していたという。
「おいしい、おいしいと食べてくれた」ともちろん渥美も食していたといい、「いつもはあまり大きく食べないけれど、最後の作品ではL(サイズ)を食べて。帰り際に『蛾次郎おいしかったよ。ご苦労さん』というのが、最後の言葉です」と貴重な秘話を明かしていた。
また「映画ロケ地の原風景」に関するクイズ大会では、寅さんマニアが集い、難問にチャレンジ。佐藤に関する「なぜ8作目だけ出演していないのか?」とのクイズも出題された。回答は「交通事故」によるものだそうで、「(自分が)助手席に乗っていたBMWが、100キロでガードレールに突っ込んじゃった。肋骨が5本折れた」と告白。「2か月の重体。ワンカットも出られない。しょうがないね」と残念な想いを語っていた。
何度も映画を観ていないとわからない問題ばかりの大会で、見事に優勝したのは沖縄からこの日のために柴又にやってきた女性。準優勝の男性は「悔しいので、また来年」とリベンジを誓うなど、全国各地に熱い寅さんファンが存在することがひしひしと感じられたクイズ大会。10月31日に行われた記者会見では、シリーズ第1作の公開から50周年を迎える2019年に50作目となる新作『男はつらいよ50 おかえり、寅さん(仮)』が公開となることが明らかとなり、まだまだ寅さんが日本を笑顔にしてくれそうだ。
取材・文/成田 おり枝