映画史上最大数の役者をパフォーマンス・キャプチャー!『モーグリ:ジャングルの伝説』今冬配信【写真20枚】
11月8日、9日にシンガポールにて開催された、Netflixの今後のラインナップを発表する初のアジアイベント「See What’s Next: Asia」にて、アンディ・サーキス監督の『モーグリ:ジャングルの伝説』のプレゼンテーションが行われた。
Netflixのコンテンツ最高責任者、テッド・サランドスと共に登壇したアンディ・サーキスは、偉大な原作を映画化するにあたり「今作は、過去に何度も映像化されている「ジャングルブック」の中でも最もエモーショナルな作品だ。物語の根本には阻害された者の概念がある。というのは、原作者のラトヤード・キップリングはもともとヒンドゥ語を話していたが、英国へ移住し、物語の中で自分の居場所を見つけた。この物語は、少年の個人的でエモーショナルな旅を描いたものなんだ」と語る。
主演のローハン・チャンドは『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(17)に出演しているが、サーキス監督は『ローン・サバイバー』(13)にアフガニスタンの少年役で出ているのを観て白羽の矢を立てたという。「2000人の子役をオーディションした結果…なんていう話ではなく、ローハンが三人目の候補者で、スカイプで話したときに、NYに住んでいるのに素晴らしい英国アクセントで話すところに惹かれた。その後リハーサルにおいて彼には、“君はたった一人で演じるわけではなく、(動物たちの声を演じる)たくさんの役者たちとの精神的なつながりが大切になる。パフォーマンス・キャプチャーの技術は、同じシーンの中で実際に演じる役者と、動物を演じる役者たちの感情的なつながりを作るものなんだよ”という話をしたよ」。
モーグリを取り巻く動物を演じるのは、クリスチャン・ベール(黒豹のバギーラ)、ケイト・ブランシェット(蛇のカー)、ベネディクト・カンバーバッチ(虎のシア・カーン)、そして熊のバルー役でアンディ・サーキスも出演している。これは、「史上最大数の役者をパフォーマンス・キャプチャーした映画」(サーキス)となるそうで、『猿の惑星』シリーズのシーザー役や『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム役で“パフォーマンス・キャプチャー俳優”の名をほしいままにしているサーキスらしい監督デビューとなった。
今作は当初ワーナー・ブラザーズ映画配給で製作が進んでいたが、Netflixが配給権を取得し、12月7日(金)より全世界配信される。また、世界配信にさきがけ、11月29日(木)よりニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ロンドンの劇場公開、12月7日以降には米国及び英国の他都市でも劇場公開となる。
サーキスは、「Netflixで全世界配信されることを心から喜んでいる。『ジャングル・ブック』は文化的衝突を描いた作品で、とても世界的なテーマだと思う。北米の興行成績に執われることなく、世界の観客に同時に観てもらえることがとてもうれしいよ」と、現在の映画業界における問題にも釘を刺すことも忘れなかった。
取材・文/平井伊都子