ヴェネチア映画祭『十三人の刺客』公式上映で役所広司「温かい拍手に感動」

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ヴェネチア映画祭『十三人の刺客』公式上映で役所広司「温かい拍手に感動」

第67回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品された、三池崇史監督『十三人の刺客』(9月25日公開)」が現地時間9月9日22時よりヴェネチア・リド島のSALA GRANDEにて公式上映が行われた。

三池崇史監督、役所広司、山田孝之が現地に赴き、公式上映に先駆け、公式会見とレッドカーペットへも登壇。公式会見では、三池監督が「日本ではなかなか作ることが難しくなった本格的な時代劇を作るという挑戦となった作品だった。この映画祭に集まって来てくださったお客さんが楽しんでくれることが一番大事。終わった後のリアクションが楽しみです」とコメント。刺客を束ねる島田新左衛門役の役所広司は「チームのみんなが命を預けられるようなリーダーとして説得力のある人物にするということを一番大事にして演じました」と、役への思い入れを語り、島田新左衛門の甥役となる島田新六郎を演じた山田孝之は「初めての時代劇、初めての殺陣や乗馬だったので、一所懸命頑張りました」と、初挑戦の苦労を話した。

公式会見には約140名の国内外のマスコミ関係者が参加し、会見後や海外プレス個別取材では、三池監督のもとに記者がサインを求めに来るなど、大人気だった。

本映画祭では、三池監督の作品3本(『ゼブラーマン』『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』『十三人の刺客』)が上映されるという異例の快挙。特に『十三人の刺客』は、本格的時代劇ということで公式上映会場には海外メディア、現地観客が殺到した。もちろん公式上映の一般チケットは発売即完売だった。

上映会場には、審査委員長を務めるクエンティン・タランティーノ監督も来場し、上映を待つ観客と共に立ち上がってキャストたちを迎えた。上映中は、激しい殺陣シーンなどで何度も拍手やどよめきが起こり、上映終了後には7分間にも及ぶスタンディングオベーションが続き、会場全体から三池監督たち惜しみない称賛が贈られた。

また、公式上映後の囲み取材では、三池監督が「何度かヴェネチアには来ているが、これほど終わってお客さんが楽しんでくれたという感触があったのは初めて。日本映画を楽しみに来ているお客さんに応援してもらっている気がした。お客さんに楽しんでもらえたのでスタッフ、キャストの皆にも許してもらえるかなと。(親しい間柄であるタランティーノ監督が審査員を務めることに関して)ちょっと気まずいですよね。彼は映画を観ることにかけては世界最高の観客の一人なので、自分が楽しんだかどうかが選考の基準になるのでは」と、満足げに話した。役所も「お客さんが楽しんでいるのが伝わってきたし、上映後には温かい拍手もいただいて感動しました。反応の良い客席を見て、子供の頃、映画館で大人たちと拍手をしながら映画を観ていたのを思い出しました」。山田は「(上映を見るのは)今回が3回目なんですが、海外のお客さんには下手なのがばれていないかなと(笑)。またヴェネチアに来られるように頑張ります」と新たな意気込みを語った。

海外からのオファーも舞い込んでいるという『十三人の刺客』。ラスト50分の壮絶なる戦いは一瞬たりとも見逃せない。現地時間9月11日の18時から開催される授賞式での受賞に大きな期待が高まる。【MovieWalker】

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