異端の現役ストリッパーが演じる“妖艶な大人の世界”を覗いてみる?
映画、演劇、AV、ストリップと様々なジャンルを横断しながら活躍する異端の踊り子、若林美保をご存知だろうか?2019年で舞台生活20周年を迎える彼女を主演に迎えたオムニバス映画『PlayRoom』が12月8日(土)より公開される。
鍛え上げられた肉体と、縄やエアリアルを使った独創的なステージングが高く評価されている若林は、2000年代後半からは女優として一般映画にも出演し、演劇の舞台にも立つなど、表現者として唯一無二の存在となっている。今回、若林に魅せられた5人の映像作家が彼女を主演にした短編映画を製作。異端の踊り子の様々な表情を切り取っている。
セクシャルなイメージが強い若林が30代OLを自然体で演じた『などわ』は、売れないバンドマンとワケありOLの恋愛を描くストーリーで、舞台上での彼女を知る人には新鮮に映る一作だ。彼女と同棲しているバンドマンを演じる渋川清彦の好演もあり、笑えて感動できる1本になっている。
サイケデリックな映像で迫るSFドラマ『LION』は、『などわ』から一転、名付けられた人造人間テロリストを演じ、彼女の肢体やエロティックなイメージから目が離せない。現代美術作家として知られる松陰浩之監督によるシュールな映像が印象的だ。一方、『クローンハート』では、佐伯日菜子演じるOLの友人のカウンセラーを演じ、クライマックスでは2人によるキスシーンも披露。
プライベートフィルムのような生々しさで描かれる『熱海の路地の子』では、大胆な全裸姿を披露し、その美しい身体に思わず息を飲む。娘を失くし、夫とはセックスレスで若い男との不倫関係を続けている人妻を演じる『Floating』では喪失感と性の間に揺れ動く、繊細な心の揺れを体現している。
気鋭の映像作家が切り取った若林の魅力が詰まった『PlayRoom』。彼女が醸し出す妖艶な魅力を感じに、ぜひ劇場に足を運んでほしい。
文/トライワークス