白熱トークバトルも展開!『劇場版 ガンダム00』座談会レポートPART2
座談会レポートPART1より続く
その3. お次は、シリーズ初登場となる新キャラクター、デカルト・シャーマンについて。『シュアリー・サムデイ』(10)、「美丘 君がいた日々」などに出演し、大活躍中の若手俳優・勝地涼が声優を務めたことでも話題のデカルト。劇場版において彼の存在はアリかナシか?
このお題目では、肯定派と否定派がきれいに3人ずつ分かれた。否定派からは「予告編であれだけあおっていたのに、劇中での活躍ぶりを見てみると『あれ!?』ってなりませんか? もっと膨らませることのできるキャラクターなのに、すごくもったいないなあと思いました」との意見が出たのに対し、肯定派からは「デカルトは“イノベイター”と呼ばれる、特別な力を持った存在(主人公の刹那も同様)だけど、だからといって必ずしもすごいことができるってわけじゃない。力を持っていても活かしきれない人物が登場することで、刹那との比較も顕著になって良かったんじゃないかな」との反論も。本作の目玉とも言えるキーパーソンだけに、両陣営とも一歩も譲らず「セリフの言い回しが凝っていて、過去のガンダムシリーズにも出てきそうなキャラクターだね」「主人公サイドとの交流が、もっとあってもよかったのでは?」と、様々な意見が飛び交った。
その4. 最後のお題目は「ガンダムが地球外生命体と戦う」という、本作のストーリーについて。ファンなら周知の事実だが、ガンダムシリーズには、宇宙人や怪獣といった類の敵は出てこない。あくまでも、モビルスーツに乗った人間どうしの戦いがベースとなっているのに対し、今作では遂に“謎の地球外生命体”が敵として登場する。この掟破りともいえるストーリー展開は、ファンとしてはアリかナシか?
こちらのお題目では肯定派が4人、否定派が2人となった。とはいえ、否定派も「全くダメ」という受け取り方ではなく「ガンダムシリーズとしては異質だけど、00の完結としてはアリ」という見解だったので、事実上、参加者全員がストーリーには納得した模様。「現実世界でも何が起こるかわからない世の中ですから、“リアル思考のガンダム”に“現実問題の宇宙人”が登場するのも、非常にマッチしていておもしろいのでは」「“敵は金属生命体”と聞いていたので、トランスフォーマーみたいな話になるんだと思ってました(笑)」「これまでにもパターンを外して、新しい方向性を探そうとしたガンダムシリーズはあったから、00もその流れの一環としてアリじゃないですか」といったコメントと共に「話がどんどん膨れ上がって収集がつかなくなったところに、スーパーマンみたいな刹那が登場して全部解決!という展開が、ちょっと引っかかりましたね。他の人間の成長が描かれないまま、ラストを迎えてしまっていいのか?という疑問も残りました」との意見も出てきた。
そして最後には、参加者全員が一言ずつ「ガンダム00」という作品そのものに対する想いを語っていった。「00は、これまでのガンダムシリーズ以上に『戦争ってなんだろう?』という問いを、私たちに投げかける描写の多かった作品だと思います。戦争に巻き込まれる側の視点もしっかりと描かれていて、現代社会を見つめ直すうえでピッタリな作品だと思います」「テレビ版のファースト、セカンドシーズンに加え、この劇場版を観ることで、ようやくイオリアの計画の真相が明らかになります。全ての謎が解決されるので、ファンなら絶対観るべきです!」「00って、9.11事件からはじまった“00年代”の世界情勢がすごく反映された作品だと思います。今回の劇場版で“この10年間に対するガンダムとしての答え”が出たので、また新たなシリーズを作り出してほしいですね」「テレビ版で何度も描かれてきた、刹那とマリナの相反する意見や哲学が、映画のラストできちんと結びついた点に大満足です。派手な戦闘シーンやキャラクターたちの交流など、いろんな見どころを一度に堪能できるのがガンダム00のすごさじゃないかな」「SFという世界観を、シンプルな構造でわかりやすく見せてくれる作品です。これまでガンダムを観たことがない人でも、気軽に楽しめる内容になっています」「いろんな意見を言ってきましたが“ああいった形で終われて良かったな”と、素直に納得できる作品です。やっぱりガンダム00、大好きです(笑)」。
現在、大ヒット公開中の『劇場版 機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer』。「ガンダムは観たことがない」という人も本作を観れば、座談会メンバーと同じように熱く語りたくなること間違いなし! 週末は是非、家族や友達を連れ添って劇場に足を運んでみてはいかがだろう?【トライワークス】