アスガー・ファルハディ監督、不適切発言で最新作の制作が取り消しに!

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アスガー・ファルハディ監督、不適切発言で最新作の制作が取り消しに!

現在公開中の映画『彼女が消えた浜辺』のアスガー・ファルハディ監督が、最新作『ナデルとシミンの離婚』の制作許可を取り消された。

ファルハディ監督は9月19日、テヘランで行われた国内映画祭の授賞式で「国外に逃げた映画監督や俳優が、再びイランに戻って活動できることを望んでいる」と語った。これをイランの文化・イスラム指導省は「不適切な発言をした」として問題視し、発言の撤回を要求したが、ファルハディ監督は応じなかった。このため同省は9月24日に最新作の制作許可の取り消しを決定。撮影は全体の20%まで進んでいたところだった。

ファルハディ監督は、濃密な心理サスペンスを描いた『彼女が消えた浜辺』で、第59回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞しており、その圧倒的な演出力は世界的に認められている。また、同作のセピデー役を演じた主演女優のゴルシフテェ・ファラハニーは、『ワールド・オブ・ライズ』(07)でレオナルド・ディカプリオと共演し、世界的にブレイク。1979年のイスラム革命以来、初めてハリウッドに進出を果たすという快挙であったが、イラン当局の反感を買い、現在はパリで暮らしている。

イラン国内での文化活動、とりわけ映画製作の現場では厳しい規制が敷かれ、活動の困難な状況がうかがえる。【MovieWalker】

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