“離島で一週間”の過酷なオーディションに参加した5人の少女たちが得たものとは?
人気グループ、BiSHなどを抱える音楽事務所WACK。ネットで賛否両論となった2017年の開催に引き続き、2018年3月に行われたWACKの合宿型アイドルオーディションに密着したドキュメンタリーが『世界でいちばん悲しいオーディション』(公開中)だ。
早朝のマラソンから始まり、デスソース入りの食事、歌唱・ダンス審査といったその一部始終が24時間配信され(視聴者の評価もポイントとして加算される)、生き残った者だけがアイドルになれるという過酷なオーディション。今回、見事勝ち残り晴れてアイドルとなったGANG PARADEのハルナ・バッ・チーン、月ノウサギ、EMPiREのMAHO EMPiRE、MiKiNA EMPiREの4人と、事務所の先輩であり、2日目から4人を見てきたBiSHのモモコグミカンパニーに集まってもらい、オーディション当時の苦労などについて語ってもらった。
「落ちた子や敗者復活の裏側が見れたのが衝撃的でした」(月ノウサギ)
―—まずは、映画をご覧になっての感想を聞かせてもらえますか?
ハルナ・バッ・チーン(以下、ハルナ)「とにかく、自分の姿を見てびっくりしました」
月ノウサギ(以下、月ノ)「当時は自分の目で見たものしかわからないから、落ちた子や敗者復活の裏側が見れたのが衝撃的でした」
MAHO EMPiRE(以下、MAHO)「当時は受かりたい一心で自分のことしか考えられなかったから、周りの子のことやスタッフさんの考えていたことがわかっておもしろかったです」
MiKiNA EMPiRE(以下、MiKiNA)「私は自分のことも見えていなかった気がします。だから、どう動いていたかが見れたのと、(プロデューサーの)渡辺(淳之介)さんの意図とか深いところまで知れて新鮮な気持ちになりました」
モモコグミカンパニー(以下、モモコ)「オーディションで落ちた子のことが気になっていたので、そこが知れてよかったです」
「『アイナばっかり痛めつけないでください』って言ったら『じゃ、お前が行けよ』みたいな話になって…」(モモコグミカンパニー)
――モモコさんが今回の合宿に参加することになった経緯は?
モモコ「3月にBISHのツアーの北海道公演が終わった後、渡辺さんも含めて打ち上げがあったんです。その時に話があって、当初はアイナ(・ジ・エンド)が行くことになっていたんです。アイナは2017年のオーディションにも現役メンバーとして参加していて、デスソース入りのごはんを食べさせられている姿をニコ生で見て、理不尽だなとか思っていたし、合宿に対して批判的だったんです。だから『アイナばっかり痛めつけないでください』って言ったら『じゃ、お前が行けよ』みたいな話になったんです。でも、参加してよかったです。当時は、BiSHのメンバーになりたくてなったのにつらいことが多くて、何が楽しいかわからなくなってしまって…。合宿に参加して、アイドルになりたいという強い思いを持った子たちと触れ合って、自分がオーディションを受けた時の気持ちを思い出しました。初心ですかね」
――今回集まってもらった4人のうち、ハルナさん以外の3人はモモコさんが合流した2日目に組み直された新しいチームでモモコさんと一緒になったんですよね。それぞれのモモコさんへの印象を教えてください。
月ノ「1日目の仮のチームでリーダーを任せられたんですけど、私のチームは4グループの中で最下位だったんです。リーダーなのにうまくまとめられなくて悔しい気持ちだったときにモモコさんと同じチームになったんです。かけてくださる言葉がすごく優しくて、こういう風に話せばよかったんだって思ったのを、よく覚えています」
MAHO「アイドルになって何がしたいかを1人1人に聞いてくれたのを覚えています。他の候補者はライバルだけど、審査で1位になるという同じ目標を持って、一瞬でも仲間になるわけで、ほかの候補者の考え方も知れたからよかったです」
MiKiNA「最初にモモコさんがアイナさんから預かったノートを見せてくださったんです。そこに書かれていることから、曲や振りの意味を初めて知って、ただ勝つのではなく、曲に寄り添ってライブをするのが一番大事なんだって知りました」