インタビューは書面のみ。謎多き天才デザイナー、マルジェラの“先端すぎる”ファッション【写真30点】

コラム

インタビューは書面のみ。謎多き天才デザイナー、マルジェラの“先端すぎる”ファッション【写真30点】

世界中で高い人気を誇る、ファッションブランド「メゾン マルタン マルジェラ(現メゾン マルジェラ)」。独特な世界観を持つこのブランドを生みだしたデザイナーに迫るドキュメンタリー『We Margiela マルジェラと私たち』が、2月8日(金)より公開となる。

映画はミステリアスなマルジェラの素顔に迫っていく
映画はミステリアスなマルジェラの素顔に迫っていく[c]2017 mint film office / AVROTROS

公にされた写真はほとんど無し。インタビューは書面のみで行い、“私”ではなく“私たち”という言葉を用いるなど、メディア上で匿名性を貫きミステリアスな人物として知られるマルタン・マルジェラ。2009年に表舞台から降りるまで、唯一無二の個性的な服を生み出してきた彼は、一体どんな人物だったのか?本作は、彼と共に同ブランドを創設したジェニー・メイレンスをはじめクリエイティブチームへのインタビューや当時の映像を通して、天才と空中分解していくチームの葛藤という知られざる真実を浮き彫りにしていく。

マルジェラの周辺人物へのインタビューを行い人物像をひも解いていく
マルジェラの周辺人物へのインタビューを行い人物像をひも解いていく[c]2017 mint film office / AVROTROS

貴重なアーカイブでは、当時のファッションの様子も確認できる。マルジェラは、1988年にブランドを立ち上げ、翌年にはコレクションを発表。“反モード”を掲げた流行にとらわれない洋服の数々は、固定概念を覆し、当時主流となっていたゆったりしたシルエットがタイトへと転換する契機となった。

「私たち」の分解という葛藤を浮き彫りにする
「私たち」の分解という葛藤を浮き彫りにする[c]2017 mint film office / AVROTROS
ゆったりが主流の時代にタイトなファッションで話題を呼んだ
ゆったりが主流の時代にタイトなファッションで話題を呼んだ[c]2017 mint film office / AVROTROS
ビニールなど、ファブリックではない素材も積極的に取り入れた
ビニールなど、ファブリックではない素材も積極的に取り入れた[c]2017 mint film office / AVROTROS

その後も、軍服やユーズドジーンズを再利用した“貧困者風”スタイルや、割れた皿やレコードなどいわゆるファブリックではないものを素材として利用したりと、ユニークな世界観に満ちた作品を連発し、高級志向とは真逆を行く独自のスタイルを追求。常識を覆す創作の数々は“デストロイ・コレクション”と称され、現在まで、ブランドの代名詞となっている。

コレクションの演出も独特!
コレクションの演出も独特![c]2017 mint film office / AVROTROS

独自の感性と考えに従った洋服づくりを行って来たマルタン・マルジェラ。どんな人だったのか…?彼が作り上げたファッションからも、その人となりを感じることができるだろう。

文/トライワークス

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