名作を生みだす秘訣とは?ロブ・ライナー監督が渾身の社会派ドラマをひっさげて初来日!

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名作を生みだす秘訣とは?ロブ・ライナー監督が渾身の社会派ドラマをひっさげて初来日!

スタンド・バイ・ミー』(86)や『恋人たちの予感』(89)など、時代を超えて愛され続ける名作・傑作を世に送り出してきたロブ・ライナー監督の最新作『記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』が3月29日(金)の公開に先がけ、31日にスペースFS汐留で試写会が開催。監督人生35年目にして初来日を果たしたライナー監督が舞台挨拶に登壇した。

本作は03年に開戦したイラク戦争の真相を追い続け、真実を伝えることに執念を燃やしつづけた4人の新聞記者たちの知られざる実話を描いた社会派ドラマ。新聞社「ナイト・リッダー」のワシントン支局長のジョン・ウォルコットは、ブッシュ大統領がイラク侵攻に踏み切った理由である“大量破壊兵器”の存在を疑問視し、部下たちとともに取材を進める。やがて、それが政府の捏造であることを突き止めるのだが、かつてないほどまでに愛国心が高まった世論の中で彼らは徐々に孤立していくことに…。

劇中では自らウォルコット役を演じているライナー監督は「日本には以前から来たいとずっと思っていて、やっとそのチャンスに恵まれた」と初来日の喜びを語り「僕の“バケット・リスト”から日本に来るという項目にチェックを入れることができました」と、日本でもヒットを記録し、先日日本版リメイクが発表された自身の監督作『最高の人生の見つけ方』(07)のオリジナルタイトルにかけてコメント。箱根や京都、また日本食などを満喫していることを楽しそうに明かした。

そんなライナー監督は、本作の物語をイラク戦争開戦時から構想していたそうで「当時、自分はどういうことが起きているのかわかっていたけれど、感じていることをどう映画化するべきか悩んでいた。そんな時にあるドキュメンタリーを観て“ナイト・リッダー”の記者たちの存在を知った。彼らの奮闘を手掛かりに、この物語を伝えられると思いました」と語る。

そして「この映画は、警鐘を鳴らす映画です」と、ジャーナリズムのあり方と民主主義に対する思いの丈を熱弁していくライナー監督。「真実を伝えることができなければ、我々の社会は独裁者が台頭していく危険な状態になってしまう。決して許してはいけないし、そのためには一般の人々が、なにが起きているのかを知らなければいけない。民主主義は世界をより良いものにするための考え方であり、お互いを受け入れるということ。この映画を通して、そういったことを感じていただければ嬉しいです」。

また、劇中の登場人物たちが“信念”に基づいて行動していることにちなみ“映画監督としての信念”を訊かれたライナー監督は「人間をあるがままにとらえること。そして、観客が共感できるキャラクター作りや撮り方を意識し、作品に娯楽性を持たせることも大切にしている」と数多の名作を生み出し続ける秘訣を明かす。そして大先輩であるフランク・キャプラ監督の言葉を引用しながら「楽しんで観ていただいて、できれば何かを持ち帰ってほしい」と、これから作品を観る観客に向けてにこやかに呼びかけた。

取材・文/久保田 和馬

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