26歳にして出演映画70本以上!“無類の映画好き”染谷将太が、自腹でも撮りたかった映画とは?
数多くの映画やテレビCMに出演し、その人気をお茶の間にも浸透させた俳優の染谷将太。現在26歳にして、これまでの出演映画が70本以上(!)という驚異の経歴を持ち、さらにプライベートでも古今東西の映画を片っ端からチェックするなど、公私共に映画漬けの日々を送っている。そんな映画を愛する彼がメガホンをとった新作短編映画『ブランク』(17)が、渋谷ユーロスペースで2月16日(土)から22日(金)までの1週間限定で公開される。
7歳で子役として芸能界入りした染谷は、9歳の時に映画『STACY』(01)でスクリーンデビュー。高校生の頃からは俳優業と並行し、自主映画の制作も行ってきた。2011年に公開された主演映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(10)では、同作のスピンオフムービー『episode.0.38あの子とパーマ』の監督を務め、その後『嘘つきみーくん〜』でメガホンをとった瀬田なつき監督と共同で脚本を手掛けた短編『シミラー バット ディファレント』(13)も監督。
続く『清澄』(15)では、染谷が尊敬する俳優としてたびたび名前を挙げている川瀬陽太と共にダブル主演を果たし、監督と脚本も手掛けたいる。『シミラー~』と『清澄』については「完全自主制作、つまり私の貯金を切り崩し作った作品。究極な贅沢なモノ作りをさせていただきました」と染谷自身も語るように、自腹を切ってでも一貫してフィルムで撮影するなど、映画ファンならではのこだわりを発揮している。
そんな彼の監督としての最新作が『ブランク』だ。本作は2015年に結婚した女優の菊地凛子が脚本を担当し、メガホンをとった染谷も出演。山口県を舞台に、ある施設の警備員が体験する虚構と現実が交差した不可思議な一日を切り取った短編映画だ。主演を務めるのは『ディアーディアー』(15)などのインディーズ映画に出演してきた個性派俳優の山本剛史。劇中音楽は、過去作2本でタッグを組んだミュージシャンの渡邊琢磨を起用している。本作でも撮影は16mmフィルムを駆使するなど、映画づくりへのこだわりっぷりは健在。デヴィッド・リンチ作品を思わせる悪夢とユーモアが混じり合ったシュールな世界観を、サイケデリックな映像で表現している。
“俳優・染谷将太”が“映画監督・染谷将太”として自由な想像力を発揮している短編映画『ブランク』。渋谷ユーロスペースでの上映では『シミラー~』『清澄』も併映されるので、彼の監督作から新たな一面を感じ取ってみてほしい。
文/トライワークス