『レオニー』の松井久子監督「明治・大正の文化や四季折々の美しさを海外の人に」と想いを語る

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『レオニー』の松井久子監督「明治・大正の文化や四季折々の美しさを海外の人に」と想いを語る

第23回東京国際映画祭特別招待作品となった『レオニー』(11月20日公開)の舞台挨拶が10月24日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、松井久子監督が登壇した。

世界的に有名な彫刻家イサム・ノグチの母、レオニー・ギルモアの波乱に満ちた生涯をつむぐ同作。イサム・ノグチの母を題材にした理由を「イサム・ノグチや彼の父親はすごく有名なのに、母であり、ドラマチックな人生を歩んできたレオニー・ギルモアという人物がどうして歴史に埋もれてしまったのか。同じ女性として、この人を世に送り出さなければという気持ちが強かったです」と語った。

同作は7年の年月を経て完成した。松井監督は「6年間は資金集めとシナリオ作りに費やしました。アメリカでパートナーのプロデューサーに出会うまでもすごく大変でしたね。それらの準備が整ってからは、完成まで1年半かかりました」と苦労を明かした。日米合作に至ったいきさつについて「日本映画は国内のみでの上映を目的としているものが多いですが、国境を越えて多くの人に見てもらいたいという気持ちがあった」といい、「日本の美、特に明治・大正の文化や四季折々の美しさというものを海外の人々に伝えたい」という想いがあったそう。日本とアメリカでの撮影に「アメリカと日本の100年前を描いているので、どちらの国の人が見てもおかしくない作品にしたいと思っていました。日本では日本のクルー、アメリカではアメリカのクルーと共に撮影し、まるで2つの映画を撮影したみたいでした。総勢400人の方々がこの作品に関わってくれており、貴重な経験になりました」と思い出深い撮影になったことを明かした。

「キャスティングにいきつくまでの道のりが長かった」と松井監督は振り返り、「シナリオがしっかりできていたので、『ヨネは中村獅童さん!』みたいな感じで、悩むことなく進みました。役者さんにもシナリオを気にいっていただけましたし、理想通りです」と満足げな表情を見せた。

また、23日のグリーンカーペットには、吉行和子、イサム・ノグチ役の小川ジュリアン、イサム・ノグチ役のボウイ・ガン、松井久子監督、プロデューサーのジョイス・ジュンと伊藤勇気が登場し、会場を沸かせた。【MovieWalker】

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