第91回アカデミー賞授賞式の注目ポイントは?ジョン・カビラ、高島彩、すみれを直撃

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第91回アカデミー賞授賞式の注目ポイントは?ジョン・カビラ、高島彩、すみれを直撃

『生中継! 第91回アカデミー賞授賞式』の案内役を務めるジョン・カビラと高島彩、レッドカーペット・レポーターのすみれ
『生中継! 第91回アカデミー賞授賞式』の案内役を務めるジョン・カビラと高島彩、レッドカーペット・レポーターのすみれ

第91回アカデミー賞授賞式が、日本時間2月25日(月)(現地時間24日)に、ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。今年もWOWOWでは『生中継! 第91回アカデミー賞授賞式』(2月25日8:30~ 字幕版は21:00~放送)を独占放送。同番組で案内役を務めるジョン・カビラと高島彩、レッドカーペット・レポーターとして現地入りするすみれにインタビューし、それぞれの注目ポイントをうかがった。

今年の賞レースは前哨戦を含めて混戦となっている。Netflixで配信中のオリジナル映画 『ROMA/ローマ』が最多10部門で候補となり、ミヒャエル・ハネケ監督作『愛、アムール』(12)以来、史上5作品目の同一年作品賞&外国語映画賞にノミネートされたことも話題に。また、日本からも、外国語映画賞候補作『万引き家族』(上映中)や、長編アニメ映画賞に『未来のミライ』(18)がノミネートされ、熱い視線が向けられている。

主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞は誰の手に?

ヴィゴ・モーテンセンがイタリア系の用心棒兼運転手を演じた『 グリーンブック』
ヴィゴ・モーテンセンがイタリア系の用心棒兼運転手を演じた『 グリーンブック』[c]2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

まずは3人に、それぞれが注目している部門について聞いた。ジョン・カビラは「主演男優賞にしようかな」と『グリーンブック』(3月1日公開)のヴィゴ・モーテンセン、『バイス』(4月5日公開)のクリスチャン・ベール、『アリー/ スター誕生』(公開中)のブラッドリー・クーパーという三強についてトーク。「僕はヴィゴを推したいところですが、肉体改造という意味では、クリスチャン・ベールも双璧です」。今回、ナイトクラブの用心棒トニー・リップに扮したヴィゴは体重を14kg増量、それに対しアメリカの副大統領ディック・チェイニーに扮したクリスチャン・ベールは、20kg増量し、髪の毛を剃って眉毛も脱色するという徹底した役作りを行った。

レディー・ガガの映画初主演作となる音楽映画『アリー/ スター誕生』
レディー・ガガの映画初主演作となる音楽映画『アリー/ スター誕生』[c]2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

「ヴィゴがここまで肉体改造したのは初めてじゃないかと。『グリーンブック』ではナイトクラブの用心棒から転じて、天才ピアニストの相棒となっていく。時は1962年、アメリカ南部を旅するということで、実話ベースという点もすごい」。

ただ、ヴィゴをプッシュしながらも、総合力でいえば、ブラッドリー・クーパーではないかとも予想するカビラ。「ブラッドリー・クーパーは4度目の正直、ヴィゴが3度目の正直。どれだけ役にコミットしたかを考えると、ブラッドリーかなと。ほぼ3年越しのプロジェクトで、ボイストレーニングはもちろん、出身地であるフィラデルフィアのなまりを役柄に合わせてカリフォルニアからアリゾナにかけた感じのなまりに変えていて、さらにギターやピアノのソロもこなしています。イーストウッド監督の薫陶を受け、己のすべてを懸けて描いた作品かと。作品としては『グリーンブック』の方が好きだけど、やっぱり主演男優賞はブラッドリーかな?」。

高島は、助演女優賞に着目していて、『女王陛下のお気に入り』(公開中)のエマ・ストーンとレイチェル・ワイズを二強と捉えている。「映画は“ザ・大奥”みたいな感じで、命もプライドも懸けた女の戦いが繰り広げられます。女の人ってあそこまで非情になれるのか!?と驚きつつも、共感できる部分もゼロではない。自分のなかのドロドロした部分を見つけながら、楽しんでほしい」と、まずは映画の見どころを解説。

女優陣の競演が話題の『女王陛下のお気に入り』
女優陣の競演が話題の『女王陛下のお気に入り』[c]2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

この2人については、どちらが受賞するのかわからないという。「片方が受賞した時、受賞を逃したほうがどういう表情を見せてくれるのか、また、受賞者がどんなスピーチをするのか。映画のなかで繰り広げられた対決を、授賞式の場でも見られるのかと思うとおもしろいです。また、町山(智浩)さんが『1つの作品で票が割れると、“漁夫の利”で、『バイス』のエイミー・アダムスに来るかもしれない』とおっしゃっていたので、果たしてどうなるのかなと」。

すみれは、主演女優賞で、『アリー/ スター誕生』のレディー・ガガが受賞することを願っているそうだ。「中学時代から大ファンで、ずっと曲を聴いていたので、ガガさんに獲ってほしいです。でも、『天才作家の妻 -40年目の真実-』(公開中)のグレン・クローズさんも、今回7度目のノミネートとなっているので、どっちになるのかなとワクワクしています」。

また、すみれは、『ある女流作家の罪と罰』のメリッサ・マッカーシーがノミネートされたこともうれしかったそうだ。「メリッサ・マッカーシーさんは、昔『ギルモア・ガールズ』というドラマに出ていました。日本ではあまりメジャーな作品じゃないけど、シングルマザーの物語で、私はすごく共感したんです。彼女はコメディの印象が強いのですが、今回の映画はシリアス系なので新鮮でした」。

『万引き家族』と『未来のミライ』の受賞への期待度は?

『万引き家族』と『未来のミライ』という日本勢のノミネート作品については、心から応援したいという3人。

Netflixにて全世界独占配信中の『ROMA/ローマ』
Netflixにて全世界独占配信中の『ROMA/ローマ』

高島が「テニスの大坂なおみ選手が世界ランキング1位になったように、いまや日本人が世界の大舞台にいることに驚かなくなってきたことがうれしいです。『万引き家族』は『ROMA/ローマ』という強いライバルがいても、奇跡的になにかうれしいことが起こるかもしれないから、期待をもって当日を迎えたいです」。

カビラも「10年ぶりに『おくりびと』の受賞時の興奮が蘇るかもしれないですから」と言うと、すみれが「実は、(樹木希林の孫の)内田雅樂さんが大親友なので、『万引き家族』のノミネートはすごくうれしかったし、応援したいです」と語る。カビラは「そうなんですか!?実は、妹さん(内田伽羅)は僕の後輩です」とのことで、すみれもビックリだった。

すみれによると「樹木希林さんが去年亡くなられましたが、雅樂さんはすごくおばあちゃん子でした。だから今回のノミネートはすごく喜んでいたし、私も応援したいと思いました。もし、是枝監督たちが現地入りされるのなら、そこは絶対にインタビューをゲットしたい。また、『未来のミライ』がノミネートされた長編アニメ映画賞も楽しみです。『未来のミライ』はもちろん、実は『犬ヶ島』にも知り合いが関わっていて、日本が舞台の作品でもあるから、日本勢だけではなく、ウェス・アンダーソン監督のインタビューも取りたいです」と意欲を燃やす。

外国語映画賞にノミネートされた『万引き家族』
外国語映画賞にノミネートされた『万引き家族』[c]2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

カビラも『万引き家族』と『未来のミライ』の両作に期待を寄せている。「是枝さんはこの番組に出演していただいたこともありますし、なんといってもカンヌのパルムドール作品ですから、その評価と是枝さんの力量、安藤(サクラ)さんとリリー(・フランキー)さんの演技も胸を打つものがあった。それが国境を超えて評価されるのではないかと。もしも10年ぶりの快挙となったらスピーチも楽しみですね。

『未来のミライ』も、カンヌの監督週間で唯一選出されたアニメーション作品です。こちらの部門は、『スパイダーマン:スパイダーバース』が技術的にすごくて、とにかく圧倒されました。でも、細田守さんは家族のなかの心象風景を描いた、少年のストーリー。普遍的なメッセージのある作品という点が良いのではないかと」。

長編アニメーション映画賞にノミネートされた『未来のミライ』
長編アニメーション映画賞にノミネートされた『未来のミライ』[c]2018 スタジオ地図

最後に、番組を観る視聴者へのメッセージをもらった。すみれは「本当に華やかなキラキラした世界だし、ファッションもすごく楽しみです。レッドカーペットの取材は、カオスですごく大変ですし、運もありますが、全力で頑張ります」と気合十分に臨む様子。

高島は「今年はアカデミー賞のノミネート作品が半分以上公開されているので、自分が観た感想や、自分の予想みたいなものを交えて番組を観ることができます。だから、ぜひ映画を観てから、アカデミー賞授賞式をごらんいただきたいなと思います」とアピール。

カビラも「司会者不在であることやゲストのパフォーマンス、いろんな主張をされるであろうスピーチなど、オスカーとしては、近年まれにみる展開が観られると思います。日本では、芸能界にいる方が政治的な発言をすると物議を醸すけど、アメリカでは全く違うカルチャーが作られているので、その最先端を見ることができるし、いろいろな気づきがあるんじゃないかと。僕も心から楽しみにしています」と締めくくった。

取材・文山崎 伸子

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