90歳にしてまさかの現役!『運び屋』でクリント・イーストウッドが“とんでもジジイ”を熱演
俳優、映画監督として数々の伝説的な傑作を世に送り出してきたクリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』(08)以来、約10年ぶりに自身の監督作で主演を務める『運び屋』(3月8日公開)。これまでガンマンから刑事、宇宙飛行士まで様々な役を演じてきた88歳のイーストウッドが本作で演じるのは、齢90歳にして“麻薬の運び屋”となったアール・ストーンという老人。しかもこの男、相当ヤバいジイさんらしい…。
家族をないがしろに仕事一筋に生きてきたアールは、事業に失敗。金も身寄りもなく、90歳を目前に人生に行き詰ってしまう。そんな崖っぷちのアールに、ある男が「車の運転さえすれば金になる」と怪しい話を持ちかけてくる。その仕事を「だったら一丁やってみんべ」となんなくこなすのだが、それはメキシコの麻薬組織のドラッグを運ぶ仕事“運び屋”だった。しかし、バレさえしなければ割がいいと、アールは危険を承知で運び屋稼業にのめり込んでいく。
スケジュールも無視!麻薬組織も恐れぬ豪胆さ
90歳という高齢ながら、運び屋の仕事を順調にこなしてくアールは、肝の座り方がハンパじゃない。組織が決めたドラッグの運搬ルートや宿泊ホテル、細かなスケジュールさえも無視する豪胆ぶりで、“寄り道は当たり前”と興味のおもむくままレストランに立ち寄るなどマイペースを貫き通してしまう。
ルール無用のこの老人に対し組織は監視役を送り込むが、彼らとも打ち解けてしまうアール。さぞやボスはお怒りかと思いきや、スケジュールは守らないが大量の麻薬を確実に運び続ける彼を気に入り「好きにやらせろ」とまで言われてしまう。一方、警察も謎の運び屋の存在を感知し捜査線を張っていく。しかし、見た目は無垢な老人のアール。疑われることもなく、偶然入ったダイナーで捜査中の刑事に人生の“パイセン“としてアドバイスをするなど、見習いたいくらいのコミュ力の高さも見せつけてくれるのだ。
美しき女性2人に大立ち回り!?
さらに、仕事を超精力的にこなすアールは“アチラ”のほうも現役。宿泊したホテルでコールガール(しかも2人!)を呼んだかと思えば、ボスに招待されたパーティでも美女2人をお相手に行為に及んだりと“生涯現役”を地でいくバイタリティを発揮している。そんな我が道を進み続けるアールは、いつしか伝説の運び屋“タタ”と呼ばれるようになっていた。
常に前線に立って映画を撮り続けるイーストウッドだからこそ、説得力たっぷりに演じられた“トンデモ”90歳の運び屋アール。果たして、彼はこのまま順調に運び屋稼業を続けていくことができるのか…?アールが突き進む物語の顛末を、ぜひスクリーンでチェックしてほしい!
文/トライワークス