仲村トオル、『ビー・バップ・ハイスクール』監督夫人からの手紙に感激!

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仲村トオル、『ビー・バップ・ハイスクール』監督夫人からの手紙に感激!

1992年に「このミステリーがすごい!」で第1位となった志水辰夫の小説を映画化した『行きずりの街』の初日舞台挨拶が、11月20日に丸の内TOEIで開催。仲村トオル、小西真奈美、南沢奈央、窪塚洋介、阪本順治監督、主題歌を歌ったmegが登壇。俳優生活25年、出演作品50本となった仲村トオルに、俳優デビュー作『ビー・バップ・ハイスクール』(85)の故・那須博之監督夫人で脚本家の那須真知子からの手紙が送られ、会場は感動に包まれた。

塾講師・波多野和郎(仲村トオル)は、失踪した教え子・広瀬ゆかり(南沢奈央)を探しに12年ぶりに上京する。そこで元妻・手塚雅子(小西真奈美)と運命的な再会を果たし、忌まわしい過去と対峙する中、ある事件に巻き込まれていく。

主人公・波多野和郎役の仲村トオルは「僕にとって、特別な作品になりました。宣伝活動をたくさんやって、しゃべり疲れました(笑)。でも、今はすがすがしい気分です」と、充実感あふれる表情で挨拶。バーを経営する元妻役で、女子高生時代も演じた小西真奈美は「いつも高い緊張感がある、とても幸せな気分でいられた現場でした。女子高生役を演じることはもうないと思うので、最後の制服姿を見に来てください」と笑顔でコメント。仲村は小西の高校生時代の写真を見てイメージを膨らませ、小西も和服を着てバーのママの役作りをしたという。

共演の窪塚洋介は「実直を超えて、愚直なくらいの波多野役を成立されたトオルさんの真摯な姿勢に刺激を受けました。出演者の方がみんな良かったし、ハードルが高い映画でした」と、熱いコメントを寄せた。また、『どついたるねん』(89)、『顔』(00)、『KT』(02)など骨太な演出で知られる阪本順治監督は、本作で初めて男女のラブストーリーを手がけたが、「52年間独り身なんで、夫婦ってのもわからなくて。夜も全然ないですから(会場爆笑)。ラブシーンは照れながら『楽しく激しくやろうね』って真奈美ちゃんに言ったりして」と言うと、会場は大ウケ。

最後に、今年俳優としての節目を迎えた仲村トオルに宛てた『ビー・バップ・ハイスクール』の脚本家・那須真知子からの手紙が披露された。故・那須博之監督の思いを代弁した夫人のメッセージにはこう書かれていた。「那須が今もし生きていて、この映画を見たら、きっとこう言うと思います。『おー、トオル君、良い役者になったなあ。それよりまず、いい男になったなあ』」。それを聞いた仲村は「25年前のあの作品があって、いろんな意味で救われて、今日があるんだなと。那須さんは、僕にとって、うーん、恩人という言葉以外に見つからないです」と感慨深く語った。

最後に仲村は「できれば25年後、100本目の映画の時にまたみなさんに会いたいです!」と、頼もしい発言で舞台挨拶を締めくくった。絶望の淵からはい上がろうとする男と、彼をずっと思い続けてきた元妻の復活愛を描いた『行きずりの街』。仲村トオルと小西真奈美らが奏でた大人の芳醇なラブストーリーをじっくりと堪能してほしい。【Movie Walker/山崎伸子】

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