『冷たい熱帯魚』園子温監督「初めて映画で感動した」と言ってくれた酔っぱらいに感激
実際に起きたいくつかの猟奇殺人事件をモチーフにした『冷たい熱帯魚』(2011年1月29日公開)のジャパンプレミアが11月27日、有楽町朝日ホールで行われ、出演者の吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲、園子温監督が登壇した。
園監督が胸を張って「今までで一番のでき!」と豪語する今作。でんでん演じる村田の妻を演じた黒沢も「今までの女優人生の集大成です。猛毒エンタテインメントをご堪能ください」と自信満々でアピールした。
今年のヴェネチア国際映画祭でも上映された本作。一同は口々に、「想像していなかった笑い声とリアクションで嬉しかった」「そんなところで笑うのかという意外性が面白かった」と手応えを感じ取っていた。
園監督について、吹越は「本人の前では言いづらいですね(笑)。一言で言うと個性的」とコメント。でんでんも「映画作りという遊びをしているガキ大将」、黒沢は「物づくりの情熱にあふれていて、それを思い切りぶつけてくれます」とそれぞれが印象を話した。そんな一方で、神楽坂は「今までの人生を否定されるくらい怒られました。撮影に入ってからは上手に引き出してくれて嬉しかったです」、梶原も「本当のお父さんみたいに厳しいけど、愛情を注いでくれました。成長できたし、強くなれたと思います」と、園監督に感謝を寄せた。撮影を振り返って吹越は、「厳しいけど楽しかったです。後半のシーンを撮影2日目に撮ったんですが、神楽坂さんと夫婦に見えるようにするためにはどうしたら良いのかと考えました。園監督にはとりあえずキスしろと言われ(笑)、良い意味で行き当たりばったりでした」と、エピソードを明かした。
最後に園監督が「恐いと言われますが、普通の娯楽映画です。『愛のむきだし』(09)とは真逆です。昨日『冷たい熱帯魚』を見て、『初めて映画で感動した』と言っていた酔っぱらいの話を聞きました。すごく嬉しかったです」と、喜びを語った。【Movie Walker】