下野紘、突然のバースデーサプライズに満面の笑み!「30代最後の誕生日です」
興行収入30億円超の大ヒットを記録した『黄泉がえり』(02)の原作者としても知られるSF小説家の梶尾真治が90年代に発表し、舞台化や漫画化もされた同名小説を実写映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』(公開中)の公開記念舞台あいさつが20日、シネ・リーブル池袋で開催。主演を務めた下野紘、ヒロインを演じた井桁弘恵、メガホンをとった蜂須賀健太郎監督の3名が舞台挨拶に登壇した。
本作は想いを寄せる女性を救うために、過去へタイムトラベルする男の姿を描いたSFロマンス。住島重工の開発部門に努める吹原和彦(下野)は、通勤時に通りかかる花屋で働く女性・蕗来美子(井桁)に想いを寄せていた。一方で、吹原の会社では時間軸圧縮理論を採用して物質を過去に送ることのできる放出機“クロノス・ジョウンター”の開発に成功。そんなある日、突然の事故で来美子を失ってしまい、和彦はクロノス・ジョウンターに乗り込んで過去に戻ることを決意するのだが…。
今年の1月に行われた第4回秋葉原映画祭でお披露目された本作がついに公開を迎えたことに、下野は「僕自身もいつ公開されるんだろうとずっと思っていました。秋葉原映画祭から約3か月、ずっと周りから『映画いつやんの?』とか『チケットないの?』といじられまくりでした」と笑顔で振り返る。一方、初めて映画でヒロインを務めあげた井桁も「嬉しい気持ちでいっぱいです。公開が決まって、たくさんの方に観てもらえて、こうして舞台挨拶ができていることが幸せです」と述べた。
「進撃の巨人」のコニー・スプリンガー役や「うたの☆プリンスさまっ♪」の来栖翔役など、数多くの人気アニメに声優として出演してきた下野は、本作が実写映画初主演。「何もわからない状態ながらも、自分のなかで試行錯誤を重ねて、いろんな人に助けられながら演じました」と振り返り、アニメーションの収録と実写映画の撮影の違いに驚いたエピソードとして初日のグリーンバック撮影を挙げ、「初めて会った井桁さんに抱きしめられるなんて、おじさんはどうしたらいいやら(笑)」。
そして「あの時の井桁さんは男らしくて、『上から行きますか?下から行きますか?』と訊かれて、俺どちらかといえばヒロイン側なのかなと感じてしまいました」と会場の笑いを誘うと、「下手すると娘かもってくらい年下の井桁さんですが、撮影しているときもちゃんとしていて、来美子というキャラクターを思い描きながら演じていたり、俺なんかよりも先輩だなって思っていました」と井桁の演技への向き合い方を絶賛。井桁ははにかんだ表情を浮かべながら、お返しに下野の声優らしい細やかな息遣いの上手さに感銘を受けたことを明かした。
舞台挨拶の終盤には突然ケーキが壇上に運び込まれ、明日4月21日(日)で39歳の誕生日を迎える下野の誕生日を祝うサプライズが。会場に集まった観客全員が手を叩きながら「ハッピーバースデー」を大合唱すると、「こんなバースデーを迎えるとは!30代最後の誕生日です」と喜びを隠しきれない下野。井桁からも「お祝いできて嬉しいです」と言葉をかけられると、39歳という年齢にかけて「サンキュー!」とファンに向けて手を振り、会場はあたたかな祝福の拍手に包まれた。
取材・文/久保田 和馬