まさに魔法のような豪華さ!『アラジン』の異国情緒あふれる世界観<写真28点>
ディズニーの名作アニメーションをガイ・リッチー監督が実写化した『アラジン』が現在公開されている。作品のテーマ同様に、魔法のように壮大な冒険が描かれる本作を支えているのが、絢爛豪華な世界観を表現した美術や衣装たちだ。
本作は、架空の王国アグラバーで、貧しくもダイヤモンドのように清らかな心を持つ青年アラジンと外の自由に憧れる王女ジャスミン、“3つの願い”を叶えることができるランプの魔人ジーニーの3人が出会い、それぞれの本当の願いを叶えるための冒険、そして真実の愛が描かれていく。
『アラジン』は、イスラム世界の説話集「千夜一夜物語」の一編として知られる「アラジンと魔法のランプ」がベース。そのためアラブ諸国の文化が反映されており、街並みや衣装など作品全体がカラフルできらびやかなものに仕上がっている。
もともとモロッコがロケ地として候補になっていたそうだが、かえって創作の制限になるのではと考えた制作陣は、イギリスにフットボール場約2個分ものセットを組み、モロッコやペルシア、トルコの文化をはじめ、ビクトリア朝時代の絵画やイズニク陶器(トルコ陶器)など、様々なところからインスピレーションを得て、活気に満ちたエキゾチックな港町を構築。さらにアラジンが衛兵から追われて入り組んだ路地や屋根を駆け抜けるといったリッチー監督が得意とするアクションシーンでは、この細々とした町並みがスリル感を増強させる機能的なものになっている。
また、『300』(06)や『アメリカン・ハッスル』(13)など、ファンタジックな世界やセレブリティのライフスタイルをスタイリングで表現し、多くの賞を受賞してきたマイケル・ウィルキンソンが手掛けたコスチュームは、とにかくド派手!赤、青、緑などの鮮やかなカラーをベースに、細かな模様や金のあしらいなどが、これでもかというほど盛り込まれており、王室の持つパワーやエキゾチックな魅力を見事に表現している。
そしてこれらの衣装とセットが融合し、最高潮の華やかさとなっているのがパレードの一幕。様々な色の衣装を身にまとい、頭には孔雀の羽の飾りをつけた大量の踊り子たちが舞い、象が行進し…と、いつまでも見ていられるような飽きのこないシーンとなっているのだ。
アニメの世界観に忠実に乗っ取りながらも、実写ならではの大スペクタクルで異国情緒に満ちた映像が展開する『アラジン』。話は知ってるから…と二の足を踏んでいる人は、すぐに劇場へGO!
文/トライワークス