ジブリ最新作『コクリコ坂から』、実は『耳をすませば』の対抗馬だった!

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ジブリ最新作『コクリコ坂から』、実は『耳をすませば』の対抗馬だった!

スタジオジブリ最新作『コクリコ坂から』が2011年夏に公開されることが決定し、プロデューサーを務める鈴木敏夫が製作報告会見を行った。

鈴木は今作を製作するきっかけを「今から15年くらい前、宮崎駿のアトリエに彼の姪や甥が遊びにきていて、『りぼん』や『なかよし』などのマンガが置いてあり、その中に『コクリコ坂から』や『耳をすませば』があったんです。昔、『コクリコ坂』をやるか『耳をすませば』をやるか検討したことがあったんですが、その時は『耳をすませば』をやることになったんです。その後、アリエッティを作っている中で、次の作品をどうするかをみんなで考えていた時に、宮崎駿が『コクリコ坂をやろう』と発案し、この作品に決まりました」と、秘話を明かした。製作にあたり、鈴木は宮崎吾朗監督と「ある時代の人の生き方が参考になることがあると思う」と話しているようで、「昔の人は身体を動かすことと頭で考えることのバランスが良かった。現代は頭で考えることが多くなっていると思う」とコメントしている。

港の見える丘を舞台にしているという今作のストーリーについて、鈴木は「映画の舞台となるのは東京オリンピックが始まる1年前の1963年。絵コンテは最後の段階まで進んでいますが、宮崎吾朗も1967年生まれなので、1963年のことは知らない。時代劇を撮るに等しい作業ですが、色々な資料を読んだりして、映画を作っております」と製作には少し苦戦している様子だ。

今作のコピーを「上を向いて歩こう」にした理由については、「今の時代に『「生きろ。』(もののけ姫のコピー)なんて言われたら、みんな困ると思うんです。前向きに歩いていくのはしんどい時代、後ろ向きも嫌。じゃあ、上だ!ということです。吾朗監督は『みんなが下を向いている時代だし、良いと思う』と言っていました」と、エピソードを明かした。

また、宮崎駿は「(『コクリコ坂から』は)1980年頃、『なかよし』に連載されて不発に終わった作品である(その意味で『「耳をすませば』に似ている)。高校生の純愛、出生の秘密ものであるが、明らかに1970年の経験を引きずる原作者(男性)の存在を感じさせ、学園紛争と大衆蔑視が敷き込まれている。少女マンガの制約を知りつつ挑戦したとも言えるだろう」とコメントを寄せている。【MovieWalker】

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