アカデミー賞監督が音楽に込めた意味とは…?モノクロ映画『COLD WAR』カラーメイキング映像も到着!

インタビュー

アカデミー賞監督が音楽に込めた意味とは…?モノクロ映画『COLD WAR』カラーメイキング映像も到着!

イーダ』(13)で第87回アカデミー外国語映画賞を受賞の巨匠パヴェウ・パヴリコフスキの最新作『COLD WAR あの歌、2つの心』が6月28日(金)より公開。本作を彩る楽曲について監督自らが語るメイキング映像が到着した。

「既存の楽曲をうまく活用している作品は魅力的だと思う」と語るパヴリコフスキ監督
「既存の楽曲をうまく活用している作品は魅力的だと思う」と語るパヴリコフスキ監督

冷戦下のポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、そしてパリを舞台に、時代に翻弄され別れと再会を幾度となく繰り返すピアニストと歌手の情熱的な恋の様子を描いた本作。第91回アカデミー賞で、監督賞、撮影賞、外国語映画賞の3部門にノミネート、第71回カンヌ国際映画祭では、監督賞を受賞するなど高い評価を集めており、中でも特に目を引くのが美しいモノクロの映像と劇中で何度もアレンジを変えながら流れ続ける楽曲だ。

【写真を見る】アカデミー監督が語る音楽へのこだわりとは?
【写真を見る】アカデミー監督が語る音楽へのこだわりとは?

自身でもジャズピアノを演奏し、「映画で流れる音楽が好きだ。既存の楽曲をうまく活用している作品は魅力的だと思う」という言葉からも映画音楽へのこだわりを感じさせるパヴリコフスキ監督。「音楽が変化していく歴史を物語としてつづった映画なんだ」と語るように、本作では物語とリンクする重要な役割を果たす楽曲も、ポーランドの民族音楽を聴き尽くした上で選び出したのだそう。

映像では、そんな映画の肝となっている楽曲“Dwa serduzka(2つの心)”が、1人の少女による素朴な歌声から舞踊団による甘美な合唱、そして自由な音楽の象徴としてのジャズバージョンと時代と共に変化していく様子が映し出され、人々と音楽の発展という監督の狙いが一目で感じられるものになっている。

美しい映像と音楽が堪能できる『COLD WAR あの歌、2つの心』
美しい映像と音楽が堪能できる『COLD WAR あの歌、2つの心』

さらに、この映像には民族舞踊団マゾフシェを参考にしたという舞踊シーンの裏側も捉えられており、モノクロの本編では見ることができない、赤、緑、オレンジなど色鮮やかな民族衣装での踊りを楽しむことができる貴重な映像となっているのだ。

時代に翻弄されながらも、永遠の愛を貫こうとする男女の姿が、こだわりの映像と数々の楽曲で描いた『COLD WAR あの歌、2つの心』。心と五感を刺激するような美しい作品に仕上がっているので、ぜひ劇場で堪能してほしい。

文/トライワークス


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