北米最大のアニメイベント「アニメ・エクスポ」がLAで開催!気合十分のコスプレイヤーも<写真40点>
毎年7月4日の独立記念日の祝日から週末にかけてロサンゼルスで行われたアニメ・エクスポ(通称AX)は、日本のアニメ及びマンガに特化した北米最大のコンベンションで、4日間で35万人以上を動員する。第28回目を迎えた今年は、大友克洋の新プロジェクト発表イベントほか400以上のプログラム、映画『キングダム』など19作品の北米プレミアが行われ、またNetflixのアニメーション新作発表や「ファイナル・ファンタジー」の天野喜孝らクリエイターが集合し和文化を伝えるプロジェクト「ジビエート」の予告編の解禁など、映像業界・ゲーム業界もAXの場を使って新作プロモーションを行う仕掛けが定着している。
会場に入ろうとするとまず驚くのが、入場待ちをする人々の列。このような人が多く集まるコンベンションではセキュリティ強化が行われており、荷物チェック、金属探知機を通るためにかなりの時間を要する。灼熱の夏のロサンゼルスで、コスプレを着た人々が入場口でじっと待っている姿は異様…。そして、会場に入ると目につくのが、コスプレの多さ。メジャーどころからオリジナルコスプレまで、思い思いのコスプレに身を包んだ人々が、写真撮影に興じている。AXには「コスプレ先輩」と呼ばれるコスプレ界の有名人もゲストとして参加している。人気コスプレイヤーたちは写真を撮られる機会も多いため、カメラを向けられると颯爽とポーズを決める。AXがアメリカでこんなに人気を得ているは、コスプレイヤーたちに晴れ舞台を提供していることが大きい。この時期、AXが行われているロサンゼルスのダウンタウンはコスプレイヤーで溢れかえる。それを見て、「ああ、今年もAXの時期なのか!」と地元民も温かく見守っているのがいい。
今年の目玉イベントとも言えるのが、初日に行われた大友克洋の登壇イベント。会場を埋め尽くしたファンたちは、大友氏の姿が見えると「アリガトーー!!」と大声を張り上げる。この日、新作劇場アニメ『ORBITAL ERA』の制作、講談社から発売される大友克洋全集、そして「AKIRA」の新アニメプロジェクトの3つの新プロジェクトが発表され、その度にファンの熱量もどんどんアップしていく。会場には仲間で「AKIRA」のコスプレをしてきたグループなど、熱狂的なファンが集った。折しも、現在ハリウッドで実写版「AKIRA」の制作が進行中であり、大きな注目が集まっていた。
会場はいくつかのセクションに分かれていて、その中でもアニメ・マンガ産業の各社が出展するセクションには、ここでしか手に入らないグッズや最新情報を求める大勢のアニメファンが詰めかけていた。4日間で延べ35万人という来場者数は、アメリカにおいて本来ニッチ需要であったアニメの大衆化を意味し、もはやサブカルとは言えない域に来ている。AX設立当初に比べ、近年はCrunchyroll(北米で日本の最新アニメを配信するサブスクリプション・サービス)やNetflixのおかげで格段とアニメにアクセスしやすくなっており、この流れは今後も続いていくことだろう。
取材・文/平井伊都子