大学での専攻は演劇にあらず!専門知識を活かして活躍する俳優たち

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大学での専攻は演劇にあらず!専門知識を活かして活躍する俳優たち

事業を立ち上げ俳優業以外でも活躍するスターたち
事業を立ち上げ俳優業以外でも活躍するスターたち写真:SPLASH/アフロ

メリル・ストリープやデンゼル・ワシントン、サンドラ・ブロックなど、大学で演劇専攻だったスターがいる一方で、宇宙工学博士の学位と天文物理学者としての顔も持つブライアン・メイ(ロックバンド「クイーン」のギタリスト)や、電気工学を専攻していたローワン・アトキンソン、法学部を卒業し、司法修習生から俳優業に“転職”したジェラルド・バトラーのように、エンタテインメントとは無関係の分野を専攻していた有名人も少なくない。いまでも学生時代の専門を活かし、本業とは別分野の事業に情熱を注ぐスターたちとは?

マシ・オカ

実は子どもの頃のIQが180以上の天才
実は子どもの頃のIQが180以上の天才写真:SPLASH/アフロ

大ヒットドラマ「HEROES」のヒロ・ナカムラ役で一躍名を馳せた“マシ・オカ”こと岡政偉。逆輸入の形で日本でも数々のTV番組に出演し、近藤春菜似の容姿でも親しまれているが、子供時代のIQは何と180以上。6歳でアメリカに移住後、ギフテッド(天才児)のための小学校に通っていたという。合格していたハーバード大学を蹴り、多様性を求めてブラウン大学に進学したマシ・オカは、コンピューター・サイエンスと数学を専攻。理学士の学位を修めている。卒業後は映画の特殊効果、とりわけデジタル視覚効果の専門家として働きながら、ハリウッドへのアプローチを続けたそうだ。

「HEROES」でのブレイク後も俳優として活動中のマシ・オカだが、2017年にNetflixで配信開始となったハリウッド版『Death Note/デスノート』では、プロデューサーデビューも果たした。大学で学んだコンピューターの専門知識も現役で、2013年にはゲーム開発会社「メビウス・デジタル」を起業。同社が開発したアクション・アドベンチャーゲーム「Outer Wilds」は、ゲーム開発業者の祭典“インディペンデント・ゲーム・フェスティバル”で、2015年度最優秀賞を受賞した。「Outer Wilds」は今年5月、X-BOX Oneとウィンドウズ向けに販売を開始している。

【写真を見る】演技だけでなく実業家としての才能も!あのスターが学生時代の経験を活かしビジネスを展開
【写真を見る】演技だけでなく実業家としての才能も!あのスターが学生時代の経験を活かしビジネスを展開画像はMasi Oka(@masi_oka)公式Instagramのスクリーンショット

ルーニー・マーラ

チャリティ団体を設立したルーニー・マーラ
チャリティ団体を設立したルーニー・マーラ写真:SPLASH/アフロ

ハードなパンク・ファッションのハッカー役を演じた『ドラゴン・タトゥーの女』(11)や、カンヌで女優賞に輝いた『キャロル』(15)の助演などで知られるルーニー・マーラ。ジョージ・ワシントン大学で1年を過ごしたあとニューヨーク大学に転学し、心理学、国際社会政策および非営利組織について学んだという。在学中に女優の道を模索し始め、端役からキャリアを築き上げていったルーニーだが、学生時代の情熱も決して忘れてはいなかった。

ルーニーは2005年、チャリティ団体「Uweza (=スワヒリ語で“できる”“可能”の意)基金」を設立。ケニア共和国の首都ナイロビにあるスラム地域、キベラ居住区に住む人々の支援事業を開始した。孤児を対象とした住居や食料の提供、医療の充実といった生活基盤の構築から、サッカーチームや絵画教室、アートギャラリーの運営、女児・女性の人権保護の推進にも取り組んでいるそうで、ルーニーがこの事業にかける想いは真剣そのもの。女優業と事業運営の両立の難しさに直面しつつも、「私には両方が必要。演技だけなんてできないんです」と、ザ・ジャーナル・ニュース紙に語っている。

実力派女優ながら演技だけでなく事業運営にも全力で臨む
実力派女優ながら演技だけでなく事業運営にも全力で臨む写真:SPLASH/アフロ

ケヴィン・コスナー

マーケティングと財務の学位を持つケヴィン・コスナー
マーケティングと財務の学位を持つケヴィン・コスナー写真:SPLASH/アフロ

ハリウッドの重鎮として知られるケヴィン・コスナーだが、カリフォルニア州立大学フラトン校での専攻は経営学。マーケティングと財務の学位を持つコスナーには、実は事業家としての才能も充分あったようだ。

1995年、コスナーは米国政府から特許を買い取り、オーシャン・セラピー・ソリューション社に依頼して油水分離機の開発に着手した。この計画に2000万ドル(約21億5400万円)の私財を投じたコスナーだが、商業市場ではさほど注目されなかったようだ。ところが2010年、メキシコ湾で石油掘削を行っていたBP社が、原油流出事故を起こしたことで事態は一転。コスナーが所有権を持つ油水分離機が、BP社にリースされる運びとなったのだ。32台のリース契約による見積額は5200万ドル(約56億円)と報じられ、コスナーの先見の明が話題となった。

コスナーが私財を投じたビジネスはそれだけではない。2004年には、観光施設「Tatanka: Story of the Bison」をサウスダコタ州デッドウッドに建設し、いまもオーナーを務めているという。デッドウッドはネイティブアメリカンの居住地区で、コスナーが主演・監督したアカデミー賞作品『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)のメインロケ地だ。地元の歴史博物館である同施設は観光スポットのひとつとして定着し、人々に親しまれているという。実はデッドウッドには、コスナーの経営するカジノもあった(2017年に閉店)とのこと。経営学部で学んだ知識とセンスは、事業方面で存分に活かされているようだ。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』のロケ地に観光施設を建設したケヴィン
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』のロケ地に観光施設を建設したケヴィン写真:SPLASH/アフロ

UK在住/シャオ

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