映画監督からサッカー選手まで、各界から『ソウル・キッチン』絶賛コメント到着!

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映画監督からサッカー選手まで、各界から『ソウル・キッチン』絶賛コメント到着!

2009年のヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞とヤングシネマ賞の2冠に輝いた『ソウル・キッチン』(1月22日公開)へのファティ・アキン監督のインタビュー&各界からの絶賛コメントが到着した。

ハンブルグにあるレストラン“ソウル・キッチン”が舞台となっている本作だが、ファティ・アキン監督にとってハンブルクという街はどういう存在か?と問うと、「自分にとっては母のような存在。街というものは僕にとって女性です。街育ちということもあってか、街が一人の登場人物として描かれている映画は大好きです」と、思い入れの強さを語った。以前、ハンブルクに住んでいたサッカー選手の高原直泰は「みんな優しく、生活しやすい町でした。あのお洒落な街が映画の舞台になって嬉しいです」と、慣れ親しんだ街並みの登場に喜びのコメントを寄せている。

ドイツは欧州各国からの移民、特にトルコ系移民が多く、多民族が住まう国だ。これまでの監督の作品ではこのような部分が前面に出ていたが、本作では裏側に隠れている。政治的なことはさておき、映画でこういったことを描くのは困難ではなかったのだろうか。「自分自身、移民についての映画を撮っているという意識が全くないのです。むしろ、こういった質問をよく受ける度に誤解されていると感じます。私は政治的な映画を撮りたいわけでもありませんし、撮っていこうとも思っていません」ときっっぱり断言。アカデミー賞の常連、台湾のアン・リー監督は「喜劇は軽く見られがちだけど、もっと正しく評価されるべきだ。とても素晴らしいこの映画に嫉妬せずにはいられない!」と絶賛している。

撮影、照明、音楽など、随所にこだわりが見られる本作。監督の映画へのこだわりを聞いてみると、「料理を扱っている映画でもあるので、照明には気をつけ、スプレーなどは使わずに照明によって料理に色を与えました。また音楽の面では、監督が好きな曲を作品に使うと、音楽が作品に合っていないことがあるので、映画音楽はその映画に合わせて選ぶべきだと思っています」とこだわりを見せた。料理研究家であるコウケンテツは「とりあえず良い音楽にうまいメシ。他に何かいる?」と、他には何も必要ないだろうと感じさせるコメントを残した。

世界三大映画祭を最年少で制覇したファティ・アキン監督の好きな映画とは何だろうか? 「好きな作品と聞かれて最初に浮かぶのは、ユルマズ・ギュネイの『路』(82)。ドイツだとフォルカー・シュレンドルフ。自分にとって“映画のママ”と呼ぶほど。映画監督になるきっかけとなった作品はクロード・ベリの『チャオ・パンタン』(86)。後はコスタ=ガヴラス作品とマーチン・スコセッシの『レイジング・ブル』(81)」と次々飛び出し、「それから、黒澤明監督作品から照明の作り方など、本当に学びました。まるで絵画を描くようにパワフルで大好きです」と黒澤監督作品も参考にしていたようだ。脚本家や映画監督として活躍をしている大森美香は出演者に注目し、「美男子でも名料理人でもない主人公が、格好良く見えてたまらない!
面白い人間の周りには、自然に面白い人間が集まり、それらが多重なサウンドのようにどんどんストーリーを盛り上げてくれる。とても気持ちの良い映画です」と話す。ジノス役のアダム・ボウスドウコス、シェイン役のビロル・ユーネルの起用理由をファティ・アキン監督は「キャスティングは今までに一緒にやってきた人ばかりで、ベストな人たちを起用しています。またアダム・ボウスドウコスは共同で脚本も書いているし、『ソウル・キッチン』は彼の自伝みたいなもので、いくつかのエピソードは本当に起ったことです。ビロル・ユーネルは『愛より強く』(06)からの付き合いで、元々ファンだったんです」と明かした。

公開劇場数は少ないものの、愛すべき登場人物が紡ぎ出すハートウォーミングな人間ドラマは必見の価値ありだ。【MovieWalker】

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