来日したソフィア・コッポラ監督たちが天才子役エル・ファニングを絶賛
第67回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作『SOMEWHERE』(4月2日公開)の来日記者会見が1月19日、六本木のザ・リッツ・カールトン東京で開催。ソフィア・コッポラ監督とスティーブン・ドーフが登壇し、撮影裏話を語った。
『マリー・アントワネット』(06)から4年ぶりの監督作となった『SOMEWHERE』は、ソフィア自身の体験を投影させた父と娘の物語。スティーブン・ドーフがセレブ生活を送る俳優の父親役に扮し、娘役を天才子役と称されるエル・ファニング(ダコタ・ファニングの妹)が好演している。
製作総指揮にソフィアの父フランシス・フォード・コッポラが、製作を兄のローマン・コッポラが務めている面からしても、彼女にとってパーソナルな映画だが、映画と実生活の違いについてソフィアはこう語った。「映画とは違って、私の両親は離婚していないし、私はハリウッドで育ったわけではないわ。でも映画業界の中で育ったし、有名な父親を持つことが、若い娘にとってどういうことかってことは経験してきたので、その部分は実体験に基づいているの」。スティーブンも役柄には共感できたようで「自分はまだ親になれていないけど、10歳の妹とはユニークな関係にあるので、それを参考にしたよ。それに俳優は仕事が空いた時期は孤独を感じる職業で、そこは理解できたよ」と語った。
娘クレオを演じたエル・ファニングについては、ふたりとも大絶賛だった。ソフィアが「ナチュラルな女優で頭の良い少女。役どころをよく理解して演じてくれた」とほめ称えると、スティーブンも「11歳の少女との共演に最初はナーバスになったけど、素晴らしい女優で素晴らしい演技を見せてくれたよ」と、笑顔で語った。
スティーブン・ドーフのダメな父親ぶりや、エル・ファニングの愛らしさに胸がきゅんとなる『SOMEWHERE』。ソフィアが母となってから書いた脚本で、「初めて男性の視点から映画を撮った」という点でも注目度大の作品なので、4月の公開をお楽しみに。【Movie Walker/山崎伸子】