美形俳優の肉体美に息を呑む…チャン・イーモウ最新作の場面写真を独占キャッチ<写真10点>
台湾のアカデミー賞といわれる第55回金馬奨で最多12部門にノミネートされ最優秀監督賞をはじめ4部門に輝いた、中国映画界の巨匠チャン・イーモウ監督の最新作『SHADOW/影武者』が9月6日(金)より公開される。このたび本作で主演を務めるダン・チャオが1人2役に挑む姿を収めた場面写真を独占入手した。
本作は「三国志」の荊州争奪戦をダイナミックにアレンジした武侠アクション。沛国が領土を敵の炎国に奪われて20年、奪還を願う男たちの闘志を束ねていた重臣で武芸の達人の都督は、敵の将軍にして最強の戦士である楊蒼に手合わせを申し込む。都督の勝手な行動に怒り狂う沛国王だったが、実は楊蒼の前に現れた都督は影武者であり、本物の都督は敵地で大軍との戦いを命じていた…。
『戦場のレクイエム』(07)や『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』(10)で注目を集め、俳優業に加えて監督業、さらにはバラエティーショーでも活躍するダン・チャオは、いまや中国を代表するトップスターの1人。本作では都督とその影武者の1人2役を演じるために、筋骨隆々な影武者から20キロ減量して病んだ都督役に挑むなど、限界ギリギリの肉体改造で鬼気迫る演技を披露している。
製作陣の談話によれば、筋肉トレーニングと食事で体を作り上げたダン・チャオは2ヶ月間で体重を72キロから83キロへと増やし、さらに4ヶ月間にわたり1日6時間にも及ぶアクショントレーニングを毎日欠かさず行ったという。そしてクランクイン後に影武者としてのシーンを撮影し、その後都督役へ向けてダイエットを開始。わずか5週間で20キロの減量に成功し、都督として6週間の撮影に臨んだとのこと。
体力も一気に低下し、撮影中に低血糖を起こして倒れることも度々ありながらも役者魂を見せつけたダン・チャオは「自分がどんなに努力をしたか、おそらく他人にはわからないと思います。けれども、その努力こそが自分の仕事です。限界までやりきるのが、私らしいアプローチの仕方なんです」と、その驚くべきストイックな姿勢を明かす。
このたび解禁された場面写真の数々からは、彼の美学が貫き通された渾身の演技の一旦が垣間見えることだろう。しかし、その表情と肉体美はスクリーンの中で躍動してこそ完成するといっても過言ではない。是非とも今後のアジア映画界を語る上で欠かすことのできない存在であるダン・チャオの渾身の演技をスクリーンで目撃し、その迫力と美しさに酔いしれてほしい。
文/久保田 和馬