宮崎あおい「夫がうつ病になったら一緒に寄り添ってあげたい」

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宮崎あおい「夫がうつ病になったら一緒に寄り添ってあげたい」

漫画家・細川貂々が自身の実体験を綴ったコミックエッセーを実写映画化した『ツレがうつになりまして。』(秋公開予定)の撮影快調会見が1月26日、都内で開催。主演の宮崎あおい、堺雅人、佐々部清監督が出席し、うつ病に関するそれぞれの思いを激白した。

同作は、ある日突然、うつ病になった夫・幹夫(堺雅人)と彼を支える妻の晴子(宮崎あおい)の闘病生活を、笑あり、涙ありで描く人間ドラマだ。09年5月にはNHKにて藤原紀香主演でドラマ化もされた。

宮崎は、多くのエキストラを交えた通勤ラッシュシーンの撮影についてのエピソードを披露。「一人の女性の方が撮影中に突然泣き出したんです。『どうしたんですか?』と聞いたら、『一年ぶりに電車に乗れました』と仰っていて、身近にもうつ病で苦しんでいる方がいるということを実感しました。この作品がそういった人たちのパワーになってもらえれば嬉しいです」と語った。また「実際に夫がうつ病になったら?」と聞かれると、「貂々さんのようになれたら良いですね。『大丈夫だよ』って一緒に寄り添ってあげられるようなのが理想です」と告白した。

一方、堺は現場の雰囲気について、「昨日、僕が自殺未遂をするという重いシーンを撮らせてもらい、今日はのほほんとしたシーンを撮ったんですが、それぞれで全然雰囲気が違うんですよね。これが佐々部組なのかと。監督の人徳のおかげなのか、まとまりのある良い空気ですね」としみじみ。作品については「うつ病というテーマを扱っている作品ですが、特別な話ではなく普通の物語だと思うんです。6割ぐらいの力でうまく人生やっていこうというのはリアルな夫婦の形だと思うし、うつと普通は何が違うんだろう、って思いながら演じてます」とコメントした。

大河ドラマ「篤姫」以来、約3年ぶりに夫婦役を演じる宮崎と堺。お互いの印象を聞かれると、宮崎は「楽しみにしていたんですけど、良い意味で変わってないです。現場では『どうしてここは、こうなんだろう?』って演技についてずっと考えてる人です」と答えた。堺は宮崎について変わった点を述べた。「3年前は、待ち時間とかポツンと座ってるだけだったんですが、今回はずっと本を読んでいるんですよ。しかも毎日違う本を。僕も待ち時間は読書をするので、現場は役者ふたりがそれぞれ本を読んでるという奇妙な感じになってます」。

佐々部監督は、本作を製作することになった経緯について、「元々、友人に紹介してもらって本を読んだんです。そしたら周りにもうつ病で苦しんでる人がたくさんいて、日本が抱える問題の1つなんですよね。何としても自分でやりたいと思い、4年前からお願いしていた作品なので、うつと闘ってる人たちの応援になれば良いなと!」と熱弁した。

また会場には、劇中で幹夫と晴子の家族の一員として登場するイグアナの“イグ”も駆け付けた。じっと動かないイグを見て、堺は「スタートがかかると動き出すんですよ。助演男優賞とか取れると思います!」と絶賛。宮崎も「良いパートナーです」と、その背中をなでていた。

うつ病という重くなりがちなテーマをユーモラスに描いた本作は、原作が持つ独特の空気感を「篤姫」でもベストパートナーぶりを見せつけた宮崎と堺がどう演じるかが見ものだ。公開は今秋とまだ先だが、今から楽しみでならない。【Movie Walker】

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