17歳の注目女優・南沙良が明かした、等身大の“いま”「映画に出られることが、嬉しくて仕方ない」
友達との争い事は避けてきた
――撮影を振り返って印象深いシーンを教えてください。
「私が演じる未来、ナノカ、百合(小野花梨)の3人が教室で言い合いをするシーンですね。ナノカの想いがすごく伝わってきました。心の奥底から出る言葉というか、想いってこんなにさらっと出てくるものなんだと、びっくりしたんです」
――そういう経験はありますか? 友達同士で感情をぶつけあって、ヒリヒリするような。
「それが、ないんですよ。そういうのを避けてきた人生なので(笑)」
――劇中で描かれる学校生活は、ご自分のそれと比べていかがしょう。
「普通、ほかのクラスの知らない子が声かけてきたりはしないですよね。もし私が未来みたいに『その絵、かわいいね』なんて突然言われたら、心臓が止まりそうになりますよ」
――ということは、それをきっかけに演劇部に入部したりなんて…。
「しないです! 未来、結構チャレンジャーですよね」
――女優志望のナノカは、日程がかぶってしまっている演劇の大会を捨ててまで、映画のオーディションに挑もうとします。仲間との決別をも覚悟して自分の夢を叶えようとしたわけですが、もし南さんが同じ境遇に立たされたら、どうしますか?
「悩みますが、私はオーディションに行くかもしれません。ただ、正直に仲間に説明はしないでしょうね(笑)」
――じゃあ、これまたナノカと同じくオーディションに失敗したら? ナノカは「演劇部に戻りたい」と言い放ったわけですが。
「私だったら、さすがに戻れないなあ。夏休み中ずっと家でおとなしくしてます。友達関係が切れたとしても、争いは…争いだけは避けたいので(笑)」
「イケイケのJK」はどう観るんだろう?
――今回、主演映画としては『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)に続く2本目ですね。
「小さい頃から映画が大好きだったので、自分がいまこうして映画に出られていることが、嬉しくて仕方ないんです」
――『志乃ちゃん』では綺麗な歌声を披露されていましたが、先ごろ公開された「キリン 午後の紅茶」のCMでも、JUDY AND MARYの「Over Drive」を透明感たっぷりに歌われています。
「歌は…あんまり(笑)。でも『Over Drive』はカラオケでちゃんと練習しましたよ!」
――エレキギターが板についていますね。
「もともとアコースティックギターは弾いていました。エレキギターはアコギより重かったですけど弾きやすかったですね。なにより、バンドでみんなと音を合わせるのがすごく楽しかったです。アコギは常にひとりで弾いていたので」
――『志乃ちゃん』や『無限ファンデーション』と同じく、ここでも舞台は学校です。
「実は学校の教室で撮影するのって、すごく緊張するんですよ」
――つまり『無限ファンデーション』は即興芝居と教室撮影で、2倍緊張したということですね。お疲れさまでした。すでに昨年11月の「MOOSIC LAB 2018」などでは上映されていますが、今回の一般興行でようやく多くの観客の目に触れますね。
「同年代の女優さんたちと一緒に、本当に自由に作った映画なので、観た方がどういうふうに受け取るのかなって、すごく考えちゃいます。たとえば私と同世代の…イケイケのJKたちがこれを観てどう感じるんだろう、とか(笑)。とにかく、たくさんの人に観てもらいたい作品です」
取材・文/稲田 豊史
2002年6月11日生まれ、神奈川県出身。第18回ニコラモデルオーディションのグランプリを受賞し、同誌専属モデルに。女優としては、映画『幼な子われらに生まれ』(17)に出演し、デビュー作ながらも、報知映画賞、ブルーリボン賞・新人賞にノミネート。その後、行定勲が監督を務めたロックバンド・レベッカの17年ぶりの新曲「恋に堕ちたら」(17)のMVに主演。映画初主演作『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)では、第43回報知映画賞、第61回ブルーリボン賞・新人賞、第33回高崎映画祭・最優秀新人女優賞、第28回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞し、その演技力が高く評価される。2月8日公開の映画『21世紀の女の子』(19)、5月17日公開の映画『居眠り磐音』(19)にも出演。8月24日公開『無限ファンデーション』(19)、来春公開『もみの家』(20)の2本の主演映画が控える。1月に放送された、第30回フジテレビヤングシナリオ大賞・大賞受賞作『ココア』(フジテレビ系)ではドラマデビュー&初主演。またモデルとしても、「NYLON JAPAN」「GQ JAPAN」「ELLE Japan」「装苑」などの、数多くのファッションメディアに出演している。江崎グリコ「ポッキー」イメージキャラクター。「キリン 午後の紅茶」新イメージキャラクター。
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