恐怖の“そっくりさん”現る!『ゲット・アウト』監督の最新ホラーがとにかく不気味…<写真18点>
初監督作『ゲット・アウト』(17)で、いきなりアカデミー賞4部門ノミネート&脚本賞受賞という快挙を達成し、最注目の監督となったジョーダン・ピール。彼が手掛ける新作ホラー『アス』が本日9月6日より公開中だが、本作にもやっぱり得体の知れない恐怖がムンムンと漂っている…。
夫と2人の子どもと共に夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいたカリフォルニアのサンタクルーズの家を訪れた一家の母アデレード(ルピタ・ニョンゴ)。友人たちも一緒にビーチへ足を運ぶが、とある不気味な偶然に見舞われたことから、子どもの頃のトラウマが甦ってしまい、家族に恐ろしいことが降りかかるという妄想を抱いてしまう。そしてその夜、家の前に家族に瓜二つな4人の“わたしたち(=アス)”が現れて…。
黒人の青年が白人の恋人の家族を訪ねた際に降りかかる災難を描いた『ゲット・アウト』では、人の仕草や表情など、日常の中に感じる違和感から恐怖を抽出していったピール監督。不気味な笑顔を浮かべる女性が涙を流したり、パーティで出会った男性に対してスマホで写真を撮った瞬間に激昂されたりと、青年を取り巻く人たちの不可解な行動は次第にエスカレートし、底知れないような不気味さをあおっていった。
本作でもそんな薄気味悪さは健在。“わたしたち”がおそろいの赤いつなぎを着て手をつないで現れたと思えば、うめき声をあげながら迫りだし、カッと目を開いて不敵な笑みを浮かべるなど、その光景はあまりにおぞましい。さらに、動物のように木に登ったり、手を動かさずにシャカシャカと走り回ったり、人間とは思えない素早い動きを見せ、姿かたちは自分たちと同じだがその中身は…という得体の知れない存在感を放っている。何を考えているのか、何者なのかわからない違和感が、ジワジワと観る者の恐怖を倍増させていくのだ。
ピール監督に加え、主演にオスカー女優のルピタ・ニョンゴ、製作に『ゲットアウト』『ブラック・クランズマン』(18)などでアカデミー作品賞にノミネートされたジェイソン・ブラムという豪華な座組で送り出す本作。主人公たちが浮かべる恐怖の表情もインパクト大で振り切っている本作だが、驚愕の結末を知ったその時には、あなたも同じような顔になっているかもしれない…。
文/トライワークス