今年も映画界をかき回す!?Netflixの話題作がヴェネチア国際映画祭で続々デビュー
昨年、第75回ヴェネチア国際映画祭でアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』(18)がお披露目され、最高賞である金獅子賞を受賞。そのままアカデミー賞まで突っ走ったのは記憶に新しい。カンヌ国際映画祭はストリーミング作品をコンペティション部門から締め出してしまったが、ヴェネチア映画祭とアカデミー賞に向けた最初の前哨戦であるトロント国際映画祭は昨年に引き続き、ストリーミング作品もラインナップに含めている。トロント国際映画祭にはコンペティション部門はないが、これまでアカデミー賞作品賞を受賞した作品が多く受賞していることで知られる観客賞があり、昨年は『グリーンブック』(18)が受賞している。
今年のヴェネチア映画祭には、3本のNetflix作品がエントリーしている。
1本目は、ノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』(12月6日配信)。協議離婚を前提に話し合いを始めたニコール(スカーレット・ヨハンソン)とチャーリー(アダム・ドライバー)は、お互いへの不満が噴出したことをで、離婚弁護士を雇いプロセスを進めることにする。女性目線、男性目線でそれぞれ語られる予告編だけでも、胸を打たれる作品であることが伝わってくるが、先ごろプレミア上映されたヴェネチアでは「スカーレット、アダムともにキャリア最高の演技!」「思いだしただけで涙がこぼれる。もう1度観るのが待ち遠しい」と絶賛の嵐。米国の映画とテレビ評価サイト「Rotten Tomatoes」で作品の評価を表すトマトメーターでも、まだ映画祭で上映されたのみだが高評価の“100%フレッシュ”を記録している。監督・脚本のノア・バームバックは、『イカとクジラ』(05)で息子たちに離婚を告げる夫婦の物語を描き、第78回アカデミー賞脚本賞にノミネートされている。実生活でも、2013年にジェニファー・ジェイソン・リーと離婚し、『フランシス・ハ』(12)で主演を務めたグレタ・ガーウィグと再婚しており、離婚劇はお得意分野…?
Netflixでは、この『マリッジ・ストーリー』がバームバック監督にとってアダム・サンドラー、ベン・スティラー、ダスティン・ホフマンが出演した『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』(17)に続き、2作目となる。