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『ブレードランナー』IMAXのココがスゴい!国内最大級のスクリーンで“SF映画の金字塔”を体感

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『ブレードランナー』IMAXのココがスゴい!国内最大級のスクリーンで“SF映画の金字塔”を体感

1982年に公開され、いまなお絶大な支持を集める『ブレードランナー』
1982年に公開され、いまなお絶大な支持を集める『ブレードランナー』Blade Runner: The Final Cut [c]2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『エイリアン』(79)や『オデッセイ』(15)など数多くの傑作を世に送りだしてきた巨匠リドリー・スコット監督が1982年に発表し、その後のSF映画はもちろんのこと、日本のアニメや漫画などにも多大な影響を与えた『ブレードランナー』(82)。複数のバージョンが存在する本作のなかで、2007年に公開25周年を記念して再編集された『ブレードランナー/ファイナル・カット』が、劇中の時代設定と同じ2019年を迎えたいま、最先端の映画体験を味わうことができるIMAXシアターでの上映がスタート。実際に鑑賞した見どころをレポートとしてお届けしよう。

逃げ出したレプリカントを追うのは、レプリカント専門の捜査官デッカード
逃げ出したレプリカントを追うのは、レプリカント専門の捜査官デッカードBlade Runner: The Final Cut [c]2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

全米公開当時39歳だったハリソン・フォードが主演を務めた本作。SF小説の大家フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、酸性雨が降りしきる2019年のロサンゼルスを舞台に繰り広げられる、高い知能と強靭な肉体を持つ“レプリカント”とレプリカント専門の賞金稼ぎ“ブレードランナー”のデッカードとの激しい死闘を描きだしていく。今年7月に75歳でこの世を去ったオランダの名優、ルトガー・ハウアーが演じたレプリカントのリーダー、ロイ・バッティの姿にも注目してほしい一本だ。

ルトガー・ハウアーが演じるのはレプリカントのリーダー、ロイ・バッティ
ルトガー・ハウアーが演じるのはレプリカントのリーダー、ロイ・バッティBlade Runner: The Final Cut [c]2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

『ファイナル・カット』が製作された際にデジタル・リマスターが施され、全編を通して画質はもちろん効果音などのクオリティが一段階アップされたのだが、今回はIMAX版ということでそれが格段と増した印象を受ける。本作が製作された当時はIMAXの技術自体はすでに開発されていたものの、現在のように劇場用の商業映画には応用されておらず、IMAXでの上映を想定して作られた作品ではない。しかしながら、ビジュアルへの飽くなきこだわりを持つスコット監督の築き上げたその世界は、紛れもなくIMAXの大画面で観るに相応しいスケール感とディテールを併せ持っていると断言できよう。

フィルム特有のざらっとした粒子感が殊更に際立つことで生まれるノスタルジックな魅力と、日本の新宿歌舞伎町の街並みからインスパイアを受けたと言われている“未来”のロサンゼルスの退廃的な雰囲気。大画面だからこそ気付くことができる新たな発見を通じて、いまなお様々な解釈が飛び交う本作に、また新たな説が生まれるのではないだろうかとさえ思えてしまうほどだ。

80年代を代表する傑作が、高画質&高音質のハイクオリティでスクリーンに!
80年代を代表する傑作が、高画質&高音質のハイクオリティでスクリーンに!Blade Runner: The Final Cut [c]2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

また映像面もさることながら、ずば抜けていたのは音響面。序盤の銃声や本作を象徴する雨の音や街の雑踏、そしてヴァンゲリスが手掛けた音楽。映像技術などの面でどうしても現代の映画と比較されてしまう部分を、音のクオリティの高さで見事に補っていくことで、とても37年前の作品とは思えない“新しさ”が垣間見えてくる。こうした現代の最新技術であるIMAXと、82年当時最新の、ダグラス・トランブルによるVFXの技術。そして82年に考えられた2019年という近未来の姿と、それよりも遥かに進歩した部分もありながら、そうでない部分も混在している現在の様相。この対比こそ、いまこの時代に『ブレードランナー』という作品に触れる意義なのかもしれない。

国内最大級の巨大スクリーンを堪能!
国内最大級の巨大スクリーンを堪能!

今回筆者が本作を鑑賞したのは、東京・池袋に今年7月19日にオープンしたグランドシネマサンシャイン池袋にある、常設映画館としては国内最大のスクリーンサイズ(縦18.9メートル×横25.8メートル)を誇るIMAXレーザー/GTテクノロジーシアター。どの座席から観てもその大きさに圧倒されること間違いなしのシアター内には、視界すべてがスクリーンで埋め尽くされるフラットシートが設置されるなど、その巨大スクリーンに映しだされる映画の世界に満遍なく浸れる演出が盛りだくさん。

劇場最前列には視界のすべてがスクリーンになるフラットシートが!
劇場最前列には視界のすべてがスクリーンになるフラットシートが!

また、ラグジュアリーな雰囲気が漂うロビーや、劇場内に掲示された装飾の数々も魅力的で映画ファンならずとも心奪われること間違いなし。首都圏に住んでいる人は是非とも池袋に足を運び、臨場感という言葉をも超越した圧巻の環境で『ブレードランナー』の世界を味わってほしい。『ブレードランナー ファイナル・カット』は、6日より全国32館のIMAXシアターで2週間限定上映中。

取材・文/久保田 和馬

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