ブラッド・ピット激白!『アド・アストラ』と名作『地獄の黙示録』との意外な共通点とは?
日本でも絶大な人気を誇る世界的ハリウッドスターのブラッド・ピットと「メン・イン・ブラック」シリーズや日本のCMでもお馴染みのトミー・リー・ジョーンズをはじめとする豪華キャスト陣が共演する『アド・アストラ』が9月20日(金)から公開される。このたび、主演と製作を務め、初の宇宙を舞台にした出演作となったピットが、本作と『地獄の黙示録』(79)との以外な共通点を激白する特別コメントが到着した。
現地時間の9月7日に閉幕した第76回ヴェネチア国際映画祭のコンペ部門に正式出展されていた本作は、ピット演じる主人公のロイ・マグブライドが、宇宙のかなたで消息を絶ったジョーンズ演じる父を探すために宇宙へと旅立つ、衝撃の“救出”ミッションを描く物語。愛する者を地球に残し、微かな父の情報を辿りながら、広大な宇宙へと旅立つ先にロイが見た真実とは…。
主人公のロイを演じ、製作陣としても名を連ねるピットは、「コッポラたちが、『地獄の黙示録』に答えをだしていたなかったことを、僕たちは忘れないようにしなければならなかった。もちろん、『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』(91)を観ると、ラストシーンのメタファーになった“儀式”を見たのはコッポラの奥さんだったことが分かる。でもそのときまで彼らはどのようなエンディングにするか分かっていなかった。そして僕たちも本作をどのように終えるのかに確信がなかった。本作の製作には、あの作品と類似点があることは間違いないんだ」と、本作とフランシス・フォード・コッポラ監督の不朽の名作『地獄の黙示録』との共通点を激白した。
『地獄の黙示録』といえば、第32回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した傑作戦争映画で、ベトナム戦争下の密林に私的な王国を築き上げた米軍のカーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺を命じられたウィラード大尉(マーティン・シーン)が体験する、戦争の狂気を描く物語だ。そんな『地獄の黙示録』と宇宙を舞台に消息を絶った父の救出を描く本作に共通点があることは驚きだが、続けてピットは「僕たちは魂の闇の部分にフォーカスをあてたんだ。主人公のロイは、孤独な宇宙でまったくのひとり。頼る人は誰もおらず、気を紛らわすための娯楽もない。消えた父の探索のために太陽系のはるかかなたへと旅することで、彼は自分自身と対峙するしかないんだ。様々な悲しみや、埋もれた痛み、そして後悔の念などとね」と、ひとり宇宙で孤独な旅をするロイの心の奥底にスポットライトをあて、さらに『地獄の黙示録』でウィラード大尉がカーツ大佐を探すべくひとり孤独にベトナムを進むその心とロイの心を重ね合わせたことを語った。
また、『エヴァの告白』(13)などを手掛けた本作の監督であるジェームズ・グレイは「多くの素晴らしいSF映画が作られてきけれど、感動を呼ぶものは何本あるだろうか?私はこれまでのスペース・アクションとは正反対の作品を作りたいと思ったんだ」とコメントするなど、これまでのSF映画とは一線を画すような作品を目指したことを語った。
まだまだ謎多き物語の一端をピットの告白により、わずかにつかむことができ、ますます注目せずにはいられなくなった本作。はたして、ピット演じるロイが宇宙のかなたで見たものとはいったいなんだったのか、その衝撃の模様をぜひ目撃してほしい!
文/編集部