是枝裕和監督が描く「残酷な真実」と「やさしい嘘」とは…『真実』予告映像

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是枝裕和監督が描く「残酷な真実」と「やさしい嘘」とは…『真実』予告映像

『万引き家族』(18)で第71回カンヌ国際映画祭の最高賞“パルムドール”を受賞した是枝裕和監督の長編14作目となる最新作『真実』が10月11日(金)から公開される。日本人監督としては初の快挙となる第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門オープニング作品としてワールドプレミアを行うなど、話題を集める本作から、このたび予告映像が到着した。

是枝監督が構想に8年を要した渾身作にして、初の国際共同製作となる本作は、国民的大女優のファビエンヌが「真実」というタイトルの自伝本を発表したことから、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く“真実”が炙りだされていく物語となっている。

大女優ファビエンヌ役にはカトリーヌ・ドヌーヴ、娘のリュミール役はジュリエット・ビノシュ、リュミールの夫であるハンク役をイーサン・ホーク、そして7歳の孫娘シャルロット役として是枝監督がフランスでのオーディションで発掘した子役のクレモンティーヌ・グルニエが演じるなど、豪華キャスト陣が本作に集結している。

到着した予告映像では、ドヌーヴ演じるファビエンヌが暮らすお城のような大きな家に自伝本の出版祝いで駆け付けたビノシュ演じるリュミールと、ホーク演じるハンク、そしてクレモンティーヌ演じるシャルロットが久方ぶりに家族が再会したことで幸せそうな表情を見せる姿から幕を開ける。しかし、その姿とは裏腹に、リュミールやハンクら屋敷に集まった大人たちは「彼女はなにを書き、なにを書かなかったのか」と自伝本の内容が気がかりな様子。その晩、早速自伝本の「真実」を読み終えたリュミールは「ママ、これのどこが“真実”よ」と激しい口調でファビエンヌに詰め寄る。かつて一度は女優を志しながらも、女優になれなかった娘リュミールと、家族をかえりみずに女優として生きてきた母ファビエンヌとの「残酷な真実」と「やさしい嘘」が絡み合いはじめる前兆がまざまざと映しだれていく。やがて見えてくる新たな「真実」に母娘はどう向き合っていくのか、気にせずにはいられない。

本年度のヴェネチア国際映画祭で日本人監督初のコンペティション部門オープニング作品として上映され、その後、9月15日に閉幕した第44回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部や、9月20(金)からスペインで行われる第67回サン・セバスティアン国際映画祭パールズ部門、10月3日(木)から韓国で行われる第24回釜山国際映画祭Gala Presentation部門への出品および同映画祭において「今年のアジア映画人賞」(Asian Filmmaker of the Year)の受賞など、世界中から絶賛の声が届いている本作。是枝監督の演出により世界を代表する豪華キャスト陣が、新しい家族の形を描きだす様を見届けることがますます楽しみになった!

文/編集部

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