染谷将太、戸田恵梨香の“姉貴っぷり”に「思いっきり甘えました」豪華キャスト共演『最初の晩餐』お披露目
サザンオールスターズのドキュメンタリー映画をはじめ、CMやMV、ショートフィルムなど様々な分野で国内外から高い評価を集める常盤司郎監督が、7年の歳月をかけて執筆したオリジナル脚本で長編劇映画監督デビューを飾った『最初の晩餐』(11月1日公開)の完成披露上映会が15日、新宿ピカデリーにて開催。染谷将太、戸田恵梨香、斉藤由貴、永瀬正敏と常盤監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は父の通夜のために集まった家族が、 “通夜ぶるまい”をきっかけに父の秘密を知り、家族としての絆を取り戻していく姿を描いた新たな“おみおくり”の物語。カメラマンとして働く東麟太郎は、父の日登志の葬儀のために故郷に帰ってくる。姉の美也子と準備をするなか、母のアキコは通夜ぶるまいを自分で作ると言い出す。そして運ばれてきたのは、日登志が初めて家族のために作った目玉焼き。懐かしい手料理を食べるたびに、麟太郎たちの脳裏に様々な思い出がよみがえってくることに…。
「7年前にたった3人で始めた企画で、その時はほぼ自主映画のような感じでした。そして4人目として来てくれたのが染谷くん。主演を3年半近くも待たせてやっと撮影を始めました」と、本作の成り立ちを振り返る常盤監督は「監督デビュー作となりましたが、こんなにもすばらしいキャストとスタッフ陣でデビューできた監督は、僕しかいないのではないかと誇りに思っています。演技派家族が集まってくれました」と、当代きっての演技派キャストの共演にたしかな手応えをのぞかせる。
一方で、主人公の麟太郎役を演じた染谷は“ほぼ自主映画”だった段階で出演を決めた理由について「家族を語る映画で、こんなにも説教くさくない脚本に初めて出会った気がして、是非出演したいと思いました」と明かし「でも『やらせてください』と言ってから3年半も音信不通状態になっていたので、きっと企画が飛んだんだろうなと思っていました…。『やります』と言われて、本当にうれしかったです」と、満面の笑み。
そんな染谷について、姉の美也子役を演じた戸田は“変な人”だという印象を抱いていたとのことで、撮影中の染谷の様子についても「よくわからない人だなって思いました。流すのが上手だし、あまり言葉を明言しない。でもボソッと呟くことが核心を突いていたりして、見ていておもしろかったです」と語る。それには染谷も「そんな変じゃないですよ…!」と困り顔。そして戸田と姉弟役を演じた感想を訊かれると「戸田さんの姉貴っぷりに、ただ甘えればいいんだなと思って、思いっきり甘えました」と厚い信頼を寄せていたことを明かした。
また、斉藤が「麟太郎の子ども時代を演じた子役が、よく探してきたなって思うぐらい染谷くんに似てる」と明かしたり、永瀬も「楽駆くんや森七菜ちゃんが、本当にみんな家族みたいだった」と振り返るように、子役キャストの演技も本作の見どころのひとつ。自身も子役時代から活躍してきた染谷は「最高でしたね!子どもたちが最高すぎて鳥肌が立ちました!」と力を込めて太鼓判を押す。さらに戸田も「子どもから大人に変化を遂げる姿がまったく違和感なくて、こんな奇跡ってあるんだなと思いました。見事なキャスティングだなと感動しました」と語った。
最後にキャストを代表してマイクをとった染谷は「ひとつの家族を描いた映画なのですが、本当に優しい映画で、観終わった後には家族であろうと家族でなくても関係なく、大事な人をふと想うような映画になっています。映画館を出るときにはふと背中を押してくれる。美味しい映画ですし、美味しい感動が待ってる映画です」と呼びかけ、会場からは大きな拍手が送られていた。
文/久保田 和馬