アンジェリーナ・ジョリーとサム・ライリー、『マレフィセント2』の続編にも期待
アンジェリーナ・ジョリー扮する、ディズニー史上最恐のヴィラン、マレフィセントが、再びスクリーンに舞い降りた。待望の続編『マレフィセント2』(公開中)を引っさげ来日した、アンジェリーナ・ジョリーと、マレフィセントに仕えるカラスのディアヴァル役を務めたサム・ライリーを直撃。
「眠れる森の美女」の新たなる伝説として描かれた前作『マレフィセント』(14)。呪いをかけられ眠らされたオーロラ姫を目覚めさせたのは、フェアリーゴッドマザーであるマレフィセントのキスだった!そんなディズニーアニメーションとはまったく異なるエンディングに、思わずのけぞった方も多かったのでは。
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続編では、ムーア国のプリンセスとなったオーロラ姫と、アルステッド国のフィリップ王子が結婚を誓うが、オーロラ姫の母で、マレフィセントを忌み嫌うイングリス王妃(ミシェル・ファイファー)の魔の手が忍び寄る。
ディズニーヴィランとして、絶大な人気を誇るマレフィセントについてアンジェリーナは「彼女がヴィランとして見られているのは、アグレッシブなところがあるからね。でも、彼女は、どうしても闘わなければいけない理由があるからこそ、闘うわけで。それを考えると、単純なヴィランというわけではないと思う」と捉えている。
サムは、マレフィセントの魅力について「僕たちはみんな、マレフィセントのように邪悪な部分を持っているんじゃないかな。でも、最終的にマレフィセントが人を惹きつけてやまないのは、演じるアンジェリーナの魅力とその演技に尽きるような気もするね」と分析。
本作では、マレフィセントが感情を露わにするシーンが多く見られるが、アンジェリーナ自身は、マレフィセントを非常にエモーショナルなキャラクターとして捉えてきた。「彼女は、自然に近い資質を持っているの。母なる自然は美しくて、花を咲かせることもできれば、ハリケーンや津波も起こすこともできる。マレフィセントは、自分の気持ちを上手く制御できず、時々発露してしまうことがあるわ。でも、実は生まれながらに無垢な存在でもあり、翼を奪われ、傷つけられたことがトラウマになってしまっているだけ。誰しも、そういう目に遭えば大きな傷を抱え、喪失感も感じてしまう。そういうなかで、本シリーズのマレフィセントになったのだと思う」。
サムは、そんなマレフィセントの心の傷を、誰よりもわかっているのがディアヴァルだと捉えている。「ディアヴァルは、彼女の良さもわかっている。一見怖い外見だけど、本来の柔らかさについても、ちゃんと気づいているんだ」。
アンジェリーナは、マレフィセントとディアヴァルの絶妙な関係性をこう捉えている。「マレフィセントは強い心の持ち主よ。彼女は、人から愛されることよりも重要なのは、自分たちのことを知ってもらい、理解してもらうことだとわかっている。そういう意味で言えば、クレイジーに思うかもしれないけど、マレフィセントとディアヴァルは、完璧なペアだと思っているわ。お互いをよく知り、受け入れあっているの」。
サムも、2人のパートナーシップをとても気に入っている。「前作を撮影しているとき、マレフィセントとディアヴァルの関係は、脚本に書かれている以上のものがあると気づいていたよ。それは長年連れ添った夫婦のような関係性で、口喧嘩もするけど、仲がいいんだ。だからこそ、2作目でも、同じ役を演じられると知った時、すごくうれしかった。僕は、いままでの映画では死んでしまう役を演じることが多く、同じ役を2回演じた試しがない。今回は、ディアヴァルのキャラクターをさらに深めていけることを楽しみにしていたよ」。
本作には、アンジェリーナの監督作『不屈の男 アンブロークン』(14)にも出演したMIYAVIが、マレフィセントと同じ部族のウド役で出演している。アンジェリーナとMIYAVIは、プライベートでも交流が深いそうだ。
「MIYAVIとは、家族ぐるみでの付き合いをさせてもらっているの。子どもたちが同じ空手クラスに通っていたし、休みを一緒に過ごしたりもしている仲よ。だから、今回、彼がキャスティングされたことはすごくうれしかったわ。演じる役柄は、子どもたちの面倒を見るというすごくすてきなキャラクターで、あて書きに近い形で考えられたものなの。世界のさまざまな民族のあり方を象徴するような美しいキャラクターになったと思う」。
また、本作は作るべくして作られた続編であることを強調したアンジェリーナ。「続編は、すぐに作ろうとしたわけではなく、語る価値があるだけの物語ができるまで、私たちは待ったの。その1つにオーロラ姫の成長物語があったわ。1作目のオーロラ姫はまだ子どもで、母と娘の関係性を描くものだった。でも、2作目では若い女性として成長したオーロラ姫との関係性が描かれている。当然ながら、年ごろの女性となり、結婚に絡む物語になったわ。ということは、もしも3本目を作る場合、オーロラ姫が母親になった物語になるのかもしれない。そうやって描かれていくシリーズ作品ならすごくいいと思う」。
すると、サムも「『眠りの森の美女』をベースに1作目が作られ、そこをカバーしつつ、いろんな発展を試みたのがこの2作目だった。僕はまたディアヴァルを演じられてすごくうれしかったし、仕上がりにはすごく満足している。だからまた、続編ができるといいよね」と相づちを打った。
実際に仕上がった『マレフィセント2』は、映像のスケール感もストーリーの深みも、前作を上回る感動作となっている。また、アトラクションムービーとしての醍醐味もたっぷりなので、ぜひ大きなスクリーンで体感してみてほしい。
山崎 伸子