吉永小百合＆天海祐希＆満島ひかりが被災地に思い馳せ…『最高の人生の見つけ方』舞台挨拶開催

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演し日本でもスマッシュヒットを記録した同名映画を、吉永小百合と天海祐希の共演でリメイクした『最高の人生の見つけ方』(公開中)の公開記念舞台挨拶が10月24日、新宿バルト9にて行われ、吉永と天海と共に満島ひかり、ももいろクローバーZの百田夏菜子と佐々木彩夏が登壇した。

吉永演じる家庭を第一に生きてきた主婦の幸枝と、天海演じる会社に尽くしてきた女社長のマ子。互いに余命宣告を受けた2人は、ひょんなことから同じ病院の2人部屋に入院することに。ある日、幸枝が12歳の少女が落としていった「死ぬまでにやりたいことリスト」を手にしたことから、自分たちの残りの人生のためのリストを実行に移していく…。

10月12日に実施予定だったものの、台風で中止となりこの日へ延期となった本舞台挨拶。冒頭、吉永は「初日にみんな揃って舞台挨拶を致しました。その次の日に他の劇場でもご挨拶をする予定でしたが、台風が来て中止になってしまいとても悲しい気持ちになってしまいました。もうこの仲間と会えなくなると思ってしまったんです。でもそれ以上に台風は猛威を奮い、たくさんの方が亡くなったり、大事なものが水浸しになって皆さんとっても辛い思いをなさっていらっしゃいました。いまそういう方々に映画を観てもらうわけにはいかないですが、お元気になって、また新しい道を歩んでいただきたいと思っています」と心を込めて挨拶。天海も「小百合さんがおっしゃったように、大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃると思います。いまはこの映画を観ていただくことが叶わなかったとしても、いつかその方々の背中を押したり、希望になっていただけたらいいなと思っております」とコメント。また、満島は「役者をやっていて、災害が起こった時にエンタテインメントってなにができるだろうと考えることがあります。ただ、今回お2人と共演して、現場で元気な姿や、スタッフ1人1人に声をかけているその姿だけで、こんなにもみんなに華を与えてくれる人達っているんだなとお2人の背中を見て感じました。私もこういった仕事に携わっている限り、いるだけでパワーを与えられる人になりたいと心から思いました」と涙ながらに挨拶した。

撮影開始から多くの時間を共に過ごしてきた吉永と天海。心に残っている出来事について聞かれると、天海は「目の前で小百合さんと言葉を交わしあってお芝居が出来たことが一番の宝物です。小百合さんの瞳の奥にどんな景色が見えているんだろうと思いながら感情をぶつけ合えたことが本当に心に残っています。自分がこういう風に進んで行きたいなと思う方向性を再確認させて頂いた日々でした。本当に心から感謝しております」と今までの思いを綴ると、吉永は「このお2人(天海と満島)とムロさんと前川さんと5人で長崎のロケが終わった後に、お食事をしたんですが、“どうしてこの仕事を選んだんですか？”と天海さんがお聞きになったんです。ひかりちゃんは沖縄のアクターズスクールご出身だったり、そういったことをそれぞれ話して、皆さんの人生を感じられたことが、演技をした以上にかけがえのない時間だったと思っています。こんなこと役者をやっていても中々ないんです」と60年の役者人生の中でも特別な出来事になったと明かした。

また、今回のイベントでは観客に“感謝”の花言葉を持つガーベラが配られ、共演者に対して“感謝”したエピソードを聞かれた百田は「ライブリハーサルの時に初めてお2人(吉永と天海)にお会いして、メンバー全員かなり緊張していたんですが、お2人が温かく“よろしくね！”と言って下さって。一緒に踊って下さって本当に嬉しかったですし、私達のライブを改めて誇れる作品になりました！」と改めて感謝の気持ちを語った。さらに天海は、「私達は作って完成しただけではなにも伝えられない。見てくださる方々がいて完成する職業でもあります。共演者の皆さん、一生懸命バックアップして下さったスタッフの皆様。そして見て下さる方々。この作品に触れてくださる方々皆様に感謝したいと思っております」と熱い感謝の想いを語った。

また最後には、吉永が「今回、ワールドカップのラグビーが始まった時にこの作品が始まったんですが、ラグビーをしている彼らが一生懸命頑張ってそして“ONE TEAM”っていう言葉を皆さまモットーにやったということはとても素敵なことだったと思いますし、私達も映画を作るのに“ONE TEAM”でやりましょう！という気持ちになりました。だから彼らチームに感謝したいです」と自身の趣味でもあるラグビーを例にだし、感謝の気持ちを述べた。

文/富塚 沙羅