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寺島しのぶ、蜷川実花、スプツニ子!が語る“女性の課題”「私の作品を観た女性が、肩で風を切って帰るような感情を残せたら」

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寺島しのぶ、蜷川実花、スプツニ子!が語る“女性の課題”「私の作品を観た女性が、肩で風を切って帰るような感情を残せたら」

10月31日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、第32回東京国際映画祭の公式プログラム「ウーマン・イン・モーション」トークイベントが開催。女優の寺島しのぶ、写真家・映画監督の蜷川実花、アーティストのスプツニ子!が出席した。

女優の寺島しのぶ、写真家・映画監督の蜷川実花、アーティストのスプツニ子!が登壇
女優の寺島しのぶ、写真家・映画監督の蜷川実花、アーティストのスプツニ子!が登壇

カンヌ国際映画祭の公式プログラムとしてスタートした「ウーマン・イン・モーション」の5周年を記念し、東京国際映画祭会期中の31日に、才能あふれる3名の女性たちを迎えたイベントを実施。

歌舞伎界の由緒ある家に生まれ、ベルリン国際映画祭銀熊賞を含む国内外の数々の賞を受賞している寺島、鮮やかな色彩を用いた作品で高い評価を受け、木村伊兵衛写真賞などを受賞している写真家、そして映画監督である蜷川、また、「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出されるなど国内外で活躍するアーティスト、スプツニ子!が登壇し、自らの経験を通して女性が直面する課題などについて語った。

これまで、多くの女性映画人が出席し、業界での地位向上・格差の是正などについて語ってきた同イベント。近年、性被害を告発する#Me Too(ミートゥー)運動が広がり、世界的にも情勢が変わり始めているが、これから女性の地位をさらに高めていくことについて、スプツニ子!は「長い道のりではあるけれど、いまの時代はソーシャルメディアでみんなと繋がれるというのがある。女性は“バカっぽい女の子”ばかりでなく、もっと複雑な人格を見せられるようになったんです」とコメント。「女性の働き手が増えれば、それに続く人も増えますし」と希望的観測を述べた。

登壇メンバーはイベントを終えて「楽しかった!」と感想を述べていた
登壇メンバーはイベントを終えて「楽しかった!」と感想を述べていた

また、蜷川は「『大人なんだからそんな恰好やめなさい』とかもナンセンス。Netflixでの作品(『FOLLOWERS』20年配信)では、女性が暴れる作品を撮っていますが、そういう作品を紡ぎ続けたいですね。私の作品を観た女性が、肩で風を切って帰るような感情を残せたらいいなと思っています」と話し、寺島も「ジェンダーってわざわざ取り上げたり、#Me Too運動自体が差別になっていると思う。女性だろうが男性だろうが、みんな人間で、それぞれ個性があるんだから。それぞれが自分の意見を主張していく力を身につけて、我を持って行きていけば、そういう差別がなくなるのかなと思う。女優としては多面性のある役を演じていきたいです」と語った。

ちなみに、ハリウッドでは現在、メリル・ストリープやジュディ・デンチといった女優が主役を張る作品が出てきているが、日本映画界では「女性が“圧倒的な主役”という作品は難しいですね。20代のカワイイ文化というのがあったりして、女優が子どもを産んで戻ってきたらお母さん役になっていたりしますから」と寺島。蜷川も「『さくらん』を撮った時は“女流”“女流”と言われて、そのたびにイラッとしていました」と、監督・クリエイターとしての本音、カテゴライズされることへの不満を明かした。

さらに、「私も前に『才能はあるけれど、女性というテーマから出たほうがいいと思う』と男性の先輩からアドバイスされたことがあるんです。その時はモヤっとして。人間全体に当てはまるはずの作品なのに、男性側からニッチな視点で見られていた。『そうじゃない!』と思ったことがあります」とスプツニ子!。

そんなスプツニ子!は「仕事が大好きでやりたいこともたくさんあって。そこでいま、妊娠・出産となると怖くて踏み切れない。家事や育児を手伝ってくれない男性も多いと聞きますし…」と、現代女性としての悩みも吐露した。すると蜷川は「現状で言うと稼いで家事代行を頼むしかない」とアドバイス。

するとスプツニ子!は「(寺島と蜷川の)2人は子どもを育てながら働いているから超ロールモデルです」と称賛し、「私は卵子をどっさり凍結したんです」とぶっちゃけ話。「凍結は26個しました。凍結し過ぎたからほしい人にあげられるかも(笑)。女性って人生で1番忙しい時期と妊娠・出産のタイミングが丸被りなんですよね。だからいま、卵子凍結をPRしているんです!」と、自身の人生設計についても明るく話していた。

取材・文/平井 あゆみ


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