ベルギーのアカデミー賞こと第1回マグリット賞を制した『ミスター・ノーバディ』に注目

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ベルギーのアカデミー賞こと第1回マグリット賞を制した『ミスター・ノーバディ』に注目

死を目前にした老人の脳裏に浮かぶ人生の様々な岐路を描いた『ミスター・ノーバディ』(4月30日公開)が、ベルギーのブリュッセルで開催された第1回マグリット賞で作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、音楽賞の主要6部門を制覇した。

ベルギーのアカデミー賞ことマグリット賞は今年新設されたばかりの国を挙げての映画祭で、アンドレ・デルヴォー・アカデミー(アンドレ・デルヴォーはベルギーの映画監督)によって創設。その年の最も優れたベルギー映画(フランス語)の作品や出演者などに贈られる。

長編デビュー作『トト・ザ・ヒーロー』(91)でカンヌ映画祭最優秀新人監督賞を受賞、『八日目』(96)では主演のふたりが同映画祭の最優秀男優賞をダブル受賞したジャコ・ヴァン・ドルマル監督はベルギー出身。しかし、キャストにはハリウッドで活躍するジャレッド・レトやダイアン・クルーガー、サラ・ポーリーが参加しているほか、劇中のセリフは全て英語であり、非ベルギー作品にも関わらず、受賞結果は作品の質が高く評価されたことの証といえよう。また、本作は2009年のヴェネチア映画祭で技術貢献賞、2010年のヨーロッパ映画賞で観客賞の受賞も果たしている。

ジャコ・ヴァン・ドルマル監督が13年ぶりに製作した本作は、まさに名匠の名にふさわしく、その実力は全く衰えていない。是非、劇場へ足を運び、ベルギーのアカデミー賞を制した本作を見てもらいたい。【Movie Walker】

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