葵わかなが感激、朝ドラ「わろてんか」後に出演したミュージカルが『キャッツ』につながった!
ミュージカルの金字塔を『レ・ミゼラブル』(12)のトム・フーパー監督が実写映画化した『キャッツ』(2020年1月24日公開)の日本語吹替版制作発表会が、11月18日にザ・リッツ・カールトン東京で開催。主人子のヴィクトリア役を務める葵わかなたち豪華キャストと、日本語吹替版音楽プロデューサーの蔦谷好位置が登壇した。吹替え初挑戦となった葵は「キャラクター、ヴィクトリア役を通して、『キャッツ』の世界に誘えるように、これから精一杯演じたいなと思っています」と語った。
発表されたキャストは、葵のほか、山崎育三郎(マンカストラップ役)、高橋あず美(グリザベラ役)、ロバート秋山(バストファージョーンズ役)、森崎ウィン(ミストフェリーズ役)、大貫勇輔(スキンブルシャンクス役)、大竹しのぶ(オールドデュトロノミー役)。製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグ、ミュージカル界の巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーらなど、世界最高峰の制作陣が名を連ねる。
一生に一度のチャンスをつかんで成長していくヒロインにちなみ、それぞれが人生におけるそういう瞬間についてトーク。葵はNHK連続テレビ小説「わろてんか」の撮影後に登壇した初舞台のミュージカル「ロミオ&ジュリエット」参加時のエピソードを披露した。
「歌を歌ってきたわけではないけど、作品に対する愛情が抑えられなくて。やらなければ死ぬ時に思い出すなと思ったくらいです。それで、ずっと朝ドラ期間中も、東京に帰ってきてはボイトレをしていました。まだ、オーディションを受けることも決まってなかったのに」。
その後、見事に同ミュージカルで主演を射止めた葵。「それが一度目の大きなチャンスでしたが、『キャッツ』の本国のキャスティングの方が、その舞台の映像を観てくださって、ヴィクトリア役が決まりました。そしてここまで来てしまった!自分にとっては大きなチャンスでした」。
山崎は、「僕はずっと野球少年で、イチロー選手と古田(敦也)選手が大好きでした」と言ったあと、イチロー選手が引退を発表する前日に行なわれた開幕戦で、国歌独唱をした時のエピソード語った。「眼の前でイチロー選手がいるところで歌ったのは、一生忘れられない思い出です。でも、歌い始めた時、バックスクリーンにイチロー選手が映って、6割くらいしか歌えなかった。呼吸が浅くなってしまって。最悪です」と苦笑いした。
最後に、名曲「メモリー」を、グリザベラ役の声優を務める高橋あず美が、蔦谷の生伴奏で生披露し、会場はエモーショナルな美声に酔いしれた。
ちなみに、日本語吹替版の制作が許可されたのは日本とドイツの2か国のみ。本国の制作チーム監修の下、歌唱力や表現力をチェックする厳しいテストが繰り返し行われているなか、現在鋭意制作中とのことだ。
取材・文/山崎 伸子