大沢たかお、日本映画の未来に向けて力説!「本気で立ち向かっていかないといけない」

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大沢たかお、日本映画の未来に向けて力説!「本気で立ち向かっていかないといけない」

興行収入24.1億円の大ヒットを記録した『22年目の告白−私が殺人犯です−』(17)の入江悠監督が完全オリジナル脚本で“10年後の日本”を描いたサスペンス大作『AI崩壊』(1月31日公開)のジャパンプレミアが14日、豊洲PITにて開催。主演の大沢たかおを筆頭に、賀来賢人、岩田剛典、広瀬アリス、芦名星、玉城ティナ、松嶋菜々子、三浦友和、そして入江監督と、主題歌を担当したAIが登壇した。

本作の舞台は労働人口が50%、高齢者と生活保護者の人口が40%となり、国家として崩壊寸前となった2030年の日本。全国民の個人情報や健康を管理する重要なライフラインとなっていたAI「のぞみ」がある日突然暴走。様々なデータから人間の“生きる価値”を選別して殺戮を開始してしまう。国中が大混乱に陥るなか、AIの開発者である天才科学者の桐生は混乱を引き起こしたテロリストとして警察から追われることになるのだが…。

AIによる生歌唱から幕を開けたジャパンプレミア。主題歌「僕らを待つ場所」を力強く歌いあげたAIは「タイトルが“AI”崩壊って、聞いた時はどうかと思いましたよ」と笑いを誘うと「主題歌を担当させていただいて本当に光栄です」とコメント。そしてAIの掛け声に合わせてスクリーンの裏側からキャスト陣と入江監督が登場すると、会場のボルテージはたちまち最高潮に。観客席の間に敷かれたレッドカーペットを練り歩きファンの声援に応えたキャスト陣は、その後舞台挨拶に登壇した。

AI暴走の容疑者にされた天才科学者の桐生浩介役を演じた大沢は、「この日が来るのをドキドキワクワクして待っていました!」と挨拶。そして「こういうことが起きた時、自分になにができるのかを考えさせられるような、近未来エンタテインメントだけど近くに感じる映画。心を込めて臨んだ作品なので、楽しく観ていただければと思います」と観客に呼びかける。

そんな大沢と、これが5度目の共演で初の夫婦役となった松嶋は「シーン数が少なく、形が出来あがっているところからの表現になるので難しいと思いましたが、何度かご一緒させていただいて気心が知れているので楽しんで演じることができました」とコメント。それには大沢も「夫婦の関係や家族の関係が根底に流れている作品。(松嶋と)これまでやってきたことの集大成がこの夫婦役に出せればいいなと思いました」と明かし、重要なシーンの前にあらかじめイメージのすり合わせをしようとしたとか。

しかし大沢は「現場で話しかけたら『そんなのわかってるわよ』的なリアクションで返されまして、すり合わせではなく僕だが勝手にすり寄ってるだけになりました」と照れ笑い。またその様子を近くで見ていたという賀来は「豪華なやりとりがされていて、僕はどうしたらいいんですかって思いました(笑)」と楽しげに撮影現場を振り返っていた。

一方、桐生を追うエリート捜査官の桜庭誠役を演じた岩田は「これだけ手応えを感じる映画はなかなかない」と自信をのぞかせると「普段の自分のイメージとは真逆のキャラクターで、髪型やメガネに助けられた部分はありましたが新鮮でした」と自身の演じた役柄について振り返る。「天才捜査官という役柄はなかなかやることがないので、現場では監督とたくさんお話をさせていただいて役作りを進めていきました」と新境地となる演技にはにかんだ表情を見せた。

最後にキャストを代表してマイクをとった大沢は「これからはインターネットやAIだけでなく、映画やテレビドラマも生き残りをかけて戦っていくので、僕も映画人の1人として本気で立ち向かっていかないといけない」と力説。「それでも戦って僕たちは評価されたいし、まだまだ日本映画は捨てたものじゃないと思ってもらいたい。だからこの作品を作りました。2020年からの日本映画はこのぐらいの作品が作られていくという自信を持っています」と大きな期待を込めて語った。

取材・文/久保田 和馬

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