俳優を若返らせる“ディエイジング”技術とは?『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』で“若ジャッキー”見参!
御年65歳ながら年齢を感じさせない精力的なアクションをいまだにこなしている、アジアが誇る“レジェンド”ジャッキー・チェン。主演最新作の『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』(公開中)でも、驚くほど若々しい姿を見せている!
本作は、太宰治や手塚治虫にも影響を与えたと言われる怪異文学の最高峰「聊斎志異」の原作者・蒲松齢をモデルとした凄腕の妖怪ハンターが、人間界で悪行を重ねる妖怪たちを魔法の力を宿す“陰陽の筆”と“経典”で彼らを退治していく様子をユーモラスに描いたアクションコメディ。普段は小説家として正体を隠して生きるプウ(ジャッキー)が正義感だけは人一倍の青年ヤンフェイとバディを組み、知事の令嬢失踪事件を解決しようと奮闘するという物語だ。
ジャッキー演じるプウが筆を片手に邪悪な妖怪を退治する“魔法拳”を操る本作には、日本にジャッキーブームを巻き起こした『ドランクモンキー 酔拳』(78)やその原型とも言える『スネーキーモンキー 蛇拳』(78)といった、ジャッキーの原点でもある「拳」シリーズのかつての作品たちを彷彿させるようなコミカルで笑える描写が満載。ジャッキーの無邪気な演技や軽快なアクションも若かりし頃を思い出させることだろう。
そんな若返ったかのようなフレッシュで活き活きとした姿を見せているジャッキーだが、実は本作では演技だけでなく、見た目にも若返っているのだ…。というのもあるシーンでは、最新のVFX技術が用いられ、20代のころの本人の顔を細部にわたって分析し繊細なレタッチを重ねることにより、まるでタイムスリップしたかのような自然な表情に仕上がっているのだ。
このVFXによって俳優を若返らせる“ディエイジング”技術。方法は様々だが、最近ではマーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』(19)でロバート・デ・ニーロやアル・パチーノに、アン・リー監督の『ジェミニマン』(19)ではウィル・スミスにも施されるなど注目を集めている。本作では、これらの作品に比べて若返る年齢の幅も大きくなり難易度も上がっているが、違和感なく仕上がっているのは、現役バリバリでアクションをこなせてしまうジャッキーの動きの力も大きいだろう。
若々しい動きと見た目で、その健在ぶりをアピールしているジャッキー。往年を思わせる彼の活躍をぜひ大きなスクリーンで確認してほしい!
文/トライワークス