アカデミー賞2部門ノミネート!スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルの最新作が日本公開決定

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アカデミー賞2部門ノミネート!スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルの最新作が日本公開決定

『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、『私が、生きる肌』(11)など傑作を次々と世に送りだしてきたスペイン映画界の巨匠ペドロ・アルモドバル監督の3年ぶりの最新作『Pain and Glory(英題)』が、『ペイン・アンド・グローリー』の邦題で初夏より日本公開されることが決定。このたび本作の特報映像が解禁された。

アルモドバル監督の自伝的要素も込められた本作は、引退同然の生活を余儀なくされていた世界的映画監督のサルバドールが、自身の子ども時代や過去の恋愛を回想していくという“アルモドバル版『ニュー・シネマ・パラダイス』”とも言える内容。第72回カンヌ国際映画祭でお披露目されるや世界中の批評家から大絶賛を獲得し、主演を務めたアントニオ・バンデラスが男優賞を受賞。また先日発表された第92回アカデミー賞でも主演男優賞と国際長編映画賞の2部門にノミネートされた。

このたび解禁された30秒の特報映像は、心も体も疲れ果てて生きがいを見出せなくなったサルバドールが、32年前に手掛けた作品の上映依頼が届いたことをきっかけに過去へと思いを馳せる姿が、アルモドバル監督作品らしい赤や原色を基調とした色彩美の中で映しだされていく。

アルモドバル監督の『セクシリア』(82)で俳優デビューを果たして以降、スペイン映画界のスターとして国境を越えて活躍してきたアントニオ・バンデラスが見せるキャリア最高との呼び声も高い好演。そして、スペインの日差しの中で家族を支える母親役を演じる“アルモドバルのミューズ”ペネロペ・クルスの圧倒的な輝き。

常連俳優2人の演技はもちろんのこと、全盛期の作品からさらに深みが加わり円熟の域に達したアルモドバルの演出からも目が離せない本作。人生の最終章に差し掛かり再び前を向く男の人生賛歌は、世代も性別も超越して多くの人の心に突き刺さること間違いなしだ。アカデミー賞の結果にも注目しながら、公開を心待ちにしたい。

文/久保田 和馬


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