竹野内豊と水川あさみ「現場で笑いを堪えるのに必死でした」
竹野内豊がコメディに初挑戦した映画『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』の初日舞台挨拶が、5月14日に新宿バルト9で開催。竹野内豊と水川あさみ、メガホンをとった前田司郎監督が登壇し、現場でのとびきり楽しかった裏話を話してくれた。
竹野内と水川が演じる大木信義&咲の夫婦は、長い同棲生活の末に結婚し、既に倦怠期に突入した夫婦。ある日、占い師の女(樹木希林)に誘われるまま、地獄ツアーに参加し、とんでもない地獄を体験することになる。
『さまよう刃』(09)、『太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男』(11)など、硬派な作品の印象が強い竹野内は、初のコメディ出演のオファーをもらった時は「素直に嬉しかったです。やってみたいと思っていたけど、チャンスがなかったので」と語った。「正直、自分で良いのかなと思ったんですが、本当に面白い台本だったので、これはもう踏み込んでしまえと思いました。刺激的でしたし、とても良い勉強をさせてもらいました」。
共演した水川は竹野内の印象について、「クールで硬派で、あまりしゃべらないイメージだと思ってましたが、信と似てるなと思いました。優しくて、ゆっくりしてる方です」と語ると、竹野内は「それはね、既に役作りをしてたの」と笑って答えた。また、彼女と共演した感想については「すごく無邪気で天真爛漫な方。相手の芝居を受け、それに対して表現される素晴らしい女優さんです。水川さんだったから、信を自然に演じることができたかなと。これくらいほめておけば良いですかね(笑)」と満面の笑みを見せる竹野内。前田監督もふたりについて、「本当の夫婦が現場にいるようで、無理することなく、自然に撮れた感じでした」と語った。
また、樹木希林、片桐はいり、荒川良々、でんでん、南海キャンディーズの山里亮太、橋本愛、柄本明といった個性豊かな共演陣の個性も弾けている本作。3人とも撮影中、笑いを堪えるのが大変だったと激白。水川は「本当に笑い上戸でゲラなので、どのシーンでもおかしくて。特にOKが出ないんじゃないかと思ったのが、良々さんとのシーン。びっくりするほどの距離感や、しゃべり方で、毎回、仕掛けてくることが違う。何度もテークをしました」と言うと、竹野内も「良々さんが笑わせようという勢いで来て、ぷって吹いて、それをさらに芝居に乗せてくる。さすがに我慢できなくなっちゃいました」と苦笑い。
終始笑いが炸裂した舞台挨拶で、最後に竹野内は笑顔で本作をアピール。「本作では、地獄を悪い人が罰せられる恐ろしい所ではなく、大切なものを置き忘れてしまって、それを再確認する、前向きな場所として描かれているところが好きです。地獄旅行、なかなか良かったと僕は思ってます」。
奇想天外な地獄への新婚旅行の道中を描いた本作は、爆笑必至のコメディとなった。是非、新境地を開いた竹野内と、水川の絶妙な凸凹コンビのやりとりを見て、思い切り笑ってもらいたい。【取材・文/山崎伸子】